《 巨大婦警エル 》 8

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 レストランの2階部分がむき出しになっている。彼女は、自分の巨大なサイズとパワーに心引かれた。コンクリートと鉄筋のビルを崩すよりも、レストランと言う日常生活に身近な存在を壊すことに興奮した。

 この店はイタリア料理が美味しく、いつも若いカップル客で賑わっていた。そういう真面目に営業しているレストランを無慈悲に壊してしまわなければならない・・・その背徳さが、エルの心を痛める。やはりこれは強盗どもにキツイお仕置きをしてやらねばならない。

「出てきなさい!何処に隠れても無駄よ!」


 エルは、屋根の無いレストランを叩く!一撃で2階部分の床の半分が崩れ落ち、1階部分を押し潰す

「まるで、人形の家みたい…。」
 エルはつぶやいた。彼女は思いにふけった。彼女の破壊願望がうずく、巨人の力で思いっきり暴れてみたい。ぼんやりと考えてみる、エルが本気になれば、人口200万人のこの帝愛市も数十分で廃墟になるだろう。誰も彼女を止めることはできない。

 破壊、破壊・・・なんて素晴らしい響きの言葉!
思うままに巨人の力を振るえたら、さぞかし素晴らしいだろうに。

 だが、婦人警官という職務のある彼女が、いくら楽しみのためとはいえ、そんなコトはできない。強盗どもをいたぶるだけで我慢するしかない。
 あぁ、なんで婦人警官になんかなったのかな、私・・・。正義のために巨人の力を使うと心に決めた、あの日の誓いは正しかったのだろうか?

 彼女の思いとは別に事態は進行した。半分崩れたレストランの中の小さな動きをエルの目が捕らえる。男が瓦礫の中から走り出した。

 建物が完全に崩される前に逃げようとしたのだ、よほどパニックっていたのだろう、巨人エルの足の前に飛び出していた。

 エルは、はるか上空から小さな虫をじっと見つめる。この虫けらは自分が逃げられるつもりらしい。男はあのヤスとかいう強盗だった。銀行内で「身体検査をする」と言いながらエルのふくよかな胸を触り、そして揉んだ男だ。許すわけにはいかない。

 ヤスは立ち止まり見上げた。彼は自分の正面にいる巨大な婦警を、しばらくの間じっと見て、それから大きくのけぞった。

「うわああああぁぁ!!」
 ヤスは慌てて悲鳴を上げた。頭の中が真っ白になっている。70メートルの身長の巨人婦警が彼を見下ろしていた。

「犯人を逮捕します!」 エルは手を伸ばし簡単に彼を男まえた。彼の小さい体は、彼女の握りこぶしの中に胸から足まで完全に掴まれた。

 ヤスはうめいた。彼の顔は巨大な婦警の指の圧力にすぐ赤くなった。
両手で巨大な指を打って闘った。小さい男はもがいて暴れた。しかし、巨人婦警にそんな抵抗は全く無意味だ。

 エルの無茶苦茶な宣告の声が響く。 
「これよりエル裁判を開廷します。被告人ヤスを強盗の現行犯により、捻り潰しの刑に処します、なお刑の執行はただちに行いま〜す」
 巨大な婦警は楽しそうだった。

「ちょ、ちょ、ちょっと、待ってええええ!!!こ、殺さないでくれええー!お、お願い、婦警さん、いや、あのエル様、う、美しいレディ…。お、俺を降ろして。俺はあんたに何もしていない」

「何言ってるの、あんた、私の胸に触ったじゃない。痴漢は重罪よ」
 エルは少しずつ手に力を加える。

「く、苦しい、息・・・できない、つ、潰さないで」 ヤスが慈悲を求める。

「それは良かったわぁ…」 エルは冷静な声で言う。

「あなたは、もう呼吸する必要がないの、だって私が今からあなたを握り潰すんだ・か・ら!」 そしてエルは、右手でゆっくりと彼を絞り上げた。すぐさまヤスの顔は赤から紫色に変わった。

 ヤスの口は、浜に引き上げられた魚のようにぽっかりと開く。もう言葉も喋れない。肺に空気がなかった。エルがさらに絞り上げたので彼の目の前は暗くなる。彼の非力なうごめきは、彼女の指の腹をくすぐった。なんて心地よい気分・・・。

 エルは男を自由にできる自分の圧倒的なパワーを楽しんでいた。ヤスの顔は苦痛に歪んだ。その小さな体が痙攣する。男の無駄な抵抗を見る時、エルは熱いエロティックな快感が、素晴らしく大きな身体に走る。快感が婦人警官のボディを貫いていた。

 エルはこの瞬間が好きだった。無力な小人達を追いつめ、弄ぶ、何でも彼女の自由にできる。何を遠慮する必要があるのか、相手は悪い犯罪者なのだ。股間から熱いジュースが流れ出し、ミニスカートに隠された肌着を濡らしていた。


 その時エルは思い出した。 
このヤスとかいう強盗はエルに向かって言った。 「婦警は上司の警部さんに自分のカラダで媚を売って点数を稼いでいる、署で警部さんと寝てるのかい」 と・・・。

 な、な、な、何ですってえええ!!!
エルは呆然とする。よりにもよって、あの劉国寺警部にエルがご機嫌をとるなんて・・・あまりの情けない言葉にエルが再び動けなくなる。

 それから男は言っていた『女と人生に希望を持つな』 という外国の諺があるそうだ。必ず裏切られるから・・・。なかなか含蓄のある諺だ。ならば人生に希望を持った事を後悔させてやろう。

 エルは小さな男を捕まえた握りこぶしの力を緩める。男は貪るように息をする。窒息寸前だった。ぜいぜいと喘いでいる。そしてすぐに命乞いを始めた。今さら「警察に自首します!」とか叫んでいる。なんと見苦しい男なのか。公明正大なるエル裁判で捻り潰しの刑が宣告されたのに、聞いていなかったのだろうか??

 これはいけない、この男だけはただ潰しては面白くない。
最も残酷で恐ろしい方法でいたぶり潰してやらねば・・・。

 巨大婦警エルはにんまりと微笑むのであった。



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