《 巨大婦警エル 》 6

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 強盗達2人は完全に腰をぬかしていた。こんな巨人から逃げられる訳が無い。だがエルが自分のことを「帝愛署婦警」であると言った瞬間に思い出した。

 あまりにも巨大すぎるので忘れていたが、
この女は警官だった。ならば逮捕してもらおう、もう降参だ。刑務所に行く方が、巨人に踏み潰されるよりはるかにましだ。

「降参です、自首します、悪い事はもうしません、逮捕してください!」
 彼らは天空のエルの美しい顔を見上げながら口々にそう叫んだ。

「うふん、悪い強盗さん達、エルが踏み潰しちゃうから」
 エルは男達の声を聞こえないふりをしている。

 
信じられない巨足が持ち上げられる。

 2人の男達は恐怖の悲鳴をあげる。 


ずうううううんんん!!!

 エルの巨大なローファーは男達のすぐ横に下ろされる。またもめり込む道路。衝撃波だけで彼らは吹き飛ばされる。

 男達を一瞬で踏み潰せる。だがエルはそうしない。楽しい遊びの時間なのだ。ぞくぞくする。これだから巨大婦人警官はやめられない。男達の恐怖の悲鳴が心地よい。

 地面に転がった2人の男達が、絶望の表情と共に空を見上げる、そこに見たのは、
本当の女巨人の姿だった。


 エルは遊んでいるつもりだったが、2人の強盗はそう思わなかった。今の一踏みは明確に彼らを踏み潰す恐怖の攻撃に思えた。逮捕するつもりなどないのだ、この大女は明らかに彼らを足で潰すつもりだった。

 身長70mの巨大な婦警の体重は、単純計算でも3500トン以上ある。いや、ビルを壊すくらい強靭な肉体なのだ、その肉体は鋼鉄並みで数十万トンの重さがあるかもしれない。
 そして、はるか頭上から下ろされるから勢いがついて、そのまた数倍もの破壊力があるだろう。もはや人間レベルでは想像もできない重さだ。

 アスファルトの道路は衝撃で脈打っている。さっきこの巨人女は彼らの罪状に「器物破損罪がある」とか言っていたが、とんでもない! 彼らは銀行の鍵と備品を破損したくらいだ、それほどひどいコトをしていない。巨人エルの破壊の方が、100万倍も被害が大きい。

 よろめきながらも男達は立ち上がり、生きるために駆け出した。エルは笑いながら巨大な足を踏み降ろす。巨大な靴が逃げる男達から3メートルほど後に降ろされる。すさまじい地震が起きる。それはエルにとって小人達の体からわずか数cm後に足を降ろしただけだ。振動でまたもや彼らは倒れそうになる。

 全力で方向を変えて懸命に走る。彼らの肺が絞られ、心臓もばくばく脈打っている。どこに逃げても巨大な足は男達の前に踏み降ろされる。男達の全力の走行も、エルは一歩で追い越してしまえるのだ。



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