《 一億円ください! 》

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 ある日、地上に女神様が降臨されました。
人々は、その美しく巨大な姿を見て驚き、彼女を崇めました。

 ここに一人の少年がいました。
少年は女神を敬いながらも別のことを考えていました。
女神の住む天界には、人間の想像もできない財宝がたくさんあるに違いありません。

 その財宝の一部でももらえたら、すぐにお金持ちになれます。
しかし、少年が女神様に「お金をください」などと言っても
「人は真面目に働くのが尊いのよ」とか、しょうもない説教をされるのがオチでしょう。

 ここは、うまく女神様をおだてて金を出さざるを得ない雰囲気にしてしまうのです。
少年は勇気をだして、巨大な女神様に話しかけるのでした。


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少年:「おぉ、巨大な女神様。あなたは本当に大きくて美しい!」

女神:「ありがとう、あなたは優しい人ね」

少年
:「女神様の美しさは、百万年たっても不滅でしょう」

女神:「あなたにとっての百万年は、私にとって1分と同じね」

 《少年は言いにくそうに聞きます。どうしても聞かねばならないのです》

少年:「あの・・・天界には金銀財宝がたくさんあると聞きましたが・・・」

女神:「そう言えばあるわね、でも女神にお金は必要ないの」


 《やはり女神様は少年の想像していた返事をしました》




少年
:「じゃあ、巨大な女神様にとっての1億円って、どのくらいなんですか?」

女神:「あなたにとっての1億円は、私にとって1円と同じね」

 《そこで少年はすかさず言いました。 この時を待っていたのです》

少年:「偉大な女神様!ボク、今月お小遣いがピンチなんです」

女神:「それはたいへんね」

少年
:「お金がいらないのなら、僕にお小遣いをください!」

女神:「いくらいるの?」


少年
:「1円だけでいいんです。女神様の1円をください!!」

女神:「たったの1円でいいの? いいわよ、あげるわ」

少年
:「本当?やった〜! 1億円ゲットだぁあ!!」




 《少年は喜びました。 女神様は決して嘘をつかないと知っていたからです。
これで一億円ぼろ儲けです。 そんな彼に女神様の最後の言葉が響きました》




女神:「それじゃ天界に行って取ってくるから、1分ほど待っててね」



(終わり)


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