性的な描写、暴力的表現があります。20歳未満の人は読まないでください。

《 この世界は「えっちなおねえさん」のモノになりました 》 11

               CG画像 June Jukes
               文 みどうれい

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第11章 お金が欲しいと思う時


(前回のあらすじ)

 
亜理紗は巨人となった。

 凄まじい巨体で都市に立つ亜理紗。
いったい何がどうなっているの!! とにかく事実を知りたい!

 亜理紗は建物の高さから自分の大きさを推測してみることにした。
事務所ビル1階分の高さは平均で3m50cmくらい。
近くに見えるビルは14階建てだから、だいたい49〜50mの高さ。
自分の体と比較して、そのビルは身長の10分の1くらい。


 高さ50mのビルの10倍の身長なので、亜理紗の身長は500m!!
彼女は人間の300倍サイズの超巨人になっていた。


 最初は戸惑っていた亜理紗だが、自分が無敵の巨人となった事を理解する!
そして欲望のままに都市で暴れまくる。
彼女は男性経験がないという訳ではない。もう何人かの男と経験済だ。
しかし、巨大な体を使っての都市破壊はSEXの何倍もの快楽だった。



 そんな時、彼女はかっての元カレ雷太を道路上で見つける。
300倍サイズの巨大な彼女から見て、雷太は身長6ミリもない小人。
思うところがあった亜理紗は、反射的に彼の前に巨足を下ろす。



衝撃でひっくり返る雷太。
雷太の持っていたカバンが少し開いている。
すごく小さかったが、そのカバンの中に多額の札束が入っているのが見える。
雷太は亜理紗が暴れまくって都市が混乱する中、
銀行の現金自動支払機コーナーから、金を盗みだしたと推測できた。

 あぁ、情けない・・・落ち込んでしまう。
亜理紗が一度は恋をした男が、火事場泥棒をしているなんて。
まぁ、その混乱の原因をつくったのが、他ならぬ亜理紗なのだが・・・。

「雷太ちゃん〜、
アンタは何をやってるのかな?
まさかと思うけど、人のお金を盗んでいないよね」


 雷太の声は小さいが亜理紗には明確に聞こえている。
「あ、亜理紗なのか???
どうして、そんなに大きいんだお前は?
いや、その・・・待ってくれ、俺を踏み潰さないでくれ!
俺はお前を、いや、あなた様を愛しているうううう!!
ATMコーナーにいたら、突然に天井が崩れてきて・・・
機械が壊れて、金がむき出しになったんだ。
だ、誰かに盗まれたら困るだろ、だから預かっただけだ!
そ、そうだ、この金でいっしょに海外へ旅行に行こう!亜理紗!」

 雷太は金を盗んで、もう一度、彼女と恋仲になりたかったらしい。

それにしても言っている事が支離滅裂だ。
「金は預かった」と言っているのに、「その金で旅行に行こう」とは・・・。
やっぱり火事場泥棒をしていたのね、アンタは・・・。
私の元カレと言っても、しょせんはこの程度ね。
過去の自分があまりにも情けない。
まぁ、今は、ちょっと雷太と遊んであげてもいい。

「雷太、お金が欲しいのなら手伝ってあげるわ」
 亜理紗はそこにかがんで、雷太が出てきたATMコーナーに手を伸ばす。
崩れ落ちた建物の下から鋼鉄製の現金自動支払機をいくつか摘まみ出す。
亜理紗の指先でそれはクシャッと潰される。
盗難予防のため頑丈な筈なのだが亜理紗の力には抵抗できない。
中にある大金がむき出しになる。雷太の前にそれを置く亜理紗。
少なくとも7〜8000万円はある。
金額の多さに目を見張る雷太。しかし、彼女のパワーに恐怖する。
彼がバールでどれだけ叩いても壊れなかった機械を、
亜理紗は楽々と指先で捻り潰したのだ! なんという力だ。
たとえ彼女に悪意がなくとも、巨大な指に捕まったら彼は瞬時に潰される。
とにかく、ここから逃げるしかない。雷太はそう判断する。

「そうね、ちょっと待っていて」
 亜理紗は立ち上がり近くにあった銀行の前に進む。
彼女は強靭な両手で銀行の上層階を掴む。
彼女の手はほとんど抵抗なしでビル上部の半分を引きはがす。
内部を覗き込む亜理紗。
中に隠れていた大勢の銀行員が右往左往しているが気にしない。

 彼女は目ざとく金庫室を見つける。
手を伸ばし指先でコンクリートの壁を壊し金庫室ごと持ち上げる。
中には多額の現金が入っていると予想できた。
彼女にとって、玩具の小箱くらいの金庫室を持ち上げ雷太の方を向く。

「雷太ちゃん、銀行強盗に成功したわ、これでお金持ちに、あれ・・・」

 視線の先には、大金をかかえて自分の車に乗り込む雷太の姿。
そのままぶっちぎりのスピードで車は逃げていく。
どうやら巨大な亜理紗に恐怖した彼はここから逃げるつもりらしい。
「なによ、せっかく金庫室をプレゼントしようと思ったのに」
亜理紗は逃げる雷太を追いかけたい気分になる。

「うふっ、雷太、鬼ごっこなら負けないわ」
 手で金庫室を捻り潰して地面に放り投げる。
中から出てきた数億円もの札束が地面に散らばる。
驚いた事に瓦礫の陰に隠れていた男が2人出てきて札束を拾い出す。

「あらら、アンタ達、そんなに金が欲しいのかしら?
でも、私がいるのにバッカじゃない」
 亜理紗は大きく足を上げて彼らを一瞬で踏み潰す。
しかし、小人を踏み潰してから亜理紗は気がついた。
よく考えたら彼らは銀行員だったみたい。
つまり金が欲しくて飛び出した強欲な男ではなく、
銀行の大切な資金を回収しようとした誠実な銀行員だったらしい。

「あらら〜真面目な銀行員さん、潰しちゃった、ゴメン」

 とにかく雷太と鬼ごっこしよう。
四つん這いになって雷太の車を追う亜理紗。たちまち距離を詰める。




 彼女の背後にいた大勢の人々は、去っていく巨人の尻を見つめて安心する。
 これで彼女に潰される心配は無くなったのだから。




亜理紗は大きいのであまりにも速い。この姿勢でも車は逃げられない。
 亜理紗の考えでは、雷太の車の左右の道路を塞いで
徐々に逃げ場を無くし、追いつめてから遊ぶ予定だった。


 ところが鬼ごっこはすぐに終わってしまう。
雷太の車の進路上は、巨人亜理紗から逃げる車で大混乱。
すぐに雷太の車は動けなくなる。

「あぁ、マジ情けない〜、遊び相手にもならないわね雷太は」
 雷太の車を指で摘まんで持ち上げる亜理紗。中で雷太が悲鳴を上げている。
まぁ、「こんな男だけど痴漢から守ってくれた事もあった」と思いだす。
亜理紗は無敵の巨人になったのだけど、「恩知らず」にはなりたくなかった。
近くのビルの屋上に車を置く。

「雷太、命だけは助けてあげる、
地面にいたら、私が雷太を踏み潰してしまうかもしれないから
しばらく、そこにいなさい」



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