《 この世界は「えっちなおねえさん」のモノになりました 》 02

               CG画像 June Jukes
               文 みどうれい

----------------------------------

第2章 慎重に行動しよう


(巨大女性の視点で)

私の名は亜理紗。
身長500mの巨人になったらしい。

私の身長は170センチだったから、300倍の大きさ・・・。
これから慎重に行動しなければいけない。
全く予想しなかった状況に飛び込んだ時、油断してはいけないの。

数か月前、私は雷太という名のヤンキー彼氏とデートしていた。
なんでこんなバカ男とつきあっているのかと自分でも思っていたけど、
雷太は逞しい肉食系男子で、私は彼の筋肉に惚れたみたい。

ある日雷太と喫茶店でパフェを食べてたら、雷太が隣にいたおじさんに怒り出した。
私の胸をじっと見ていたというのだ・・・?
まぁ、私はスーパービューティフルセクシーだから、おじさんが私に見惚れても当然ね。

おじさんの肩を掴む雷太、ケンカをするつもりなの、ありえんてぃー。
次の瞬間、おじさんのパンチが雷太の顔にクリーンヒット。
彼は鼻血を出して、ぶっ倒れる。 店員さんも飛んできて大騒ぎ。
そっこーで逃げた。 雷太に友やめメールをして着信拒否、ラインもブロック。

バカだとしか言えない、テンションバリ下がる。負けるのならケンカなんかしないでね。 
この事から私が学んだ教訓は、相手が弱そうでも油断してはいけないという事。
今は、うかつな動きができない。
凍りついたように、そのままの姿勢を保つ私。






さすがに困った、超スーパービューティフルセクシーな私も対応できない。
えっと・・・状況を確認しよう。 私の人生がかかっている。
こういう時、私は質問形式で答えを出す。 自分で自分に問いかける。

(質問) 私自身に質問するわ、これは現実なの?
(答え) 間違いなく現実。


(質問) 私は本当に巨大化したの?
(答え) 巨人になってる。

(質問) たくさんの建物や車を足で踏み潰しているみたいだけど?
(答え) 建物だけでない、大勢の人間を踏み潰してると思われ。

(質問) 街の人たちは怒っているのかな?
(答え) 当然、怒っている。


(質問) 街の人たち「激おこ」 なの?
(答え) そんな生易しいレベルではないわ。

(質問) 謝ったら許してくれるかな?
(答え) 無理って言うか、超絶無理。
すでに人との共存は不可能!

マジでやばい。
しかし妙に楽しんでる私がいる。 小さなビルって、とっても可愛い。
「ヤバイ」+「かわいい」の気持ち。
それを「ば」が多いほど度合いが大きいギャル語で表現するなら。
「やばばばばばばばば」 かな?

えっ、何、私って街の人々の心配をしていないの?
大勢の人が私の巨足に潰されているのよ!
それなのに自分の事しか考えていない。 それって自己中じゃない。

とにかくマジで落ち着こう。 私は考えをまとめるために、そこに座ることにした。








目次に行く めくる→