《　ワニの旅　疾風怒濤編　最終回　》

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　天空にそびえ立つ巨大女性！



　彼女のパワーは凄まじく、大空の雲海さえも動かした。

　結果として一部地域に大雨が降った。




　大雨の最中に、水があふれたワニ園からワニは逃げ出した！！

　駐車場でさえ水没している。　男が呆然とワニを見つめていた。

　この状況だと、普通ならワニは人を襲っていたかもしれない。
しかし長い間、肉を食べさせてくれた人間の優しさをワニは忘れていなかった。


　ワニは何もせずに、そのまま流されていく。






　とぼとぼと歩く。

　ワニ園が何処にあるのか分からなくなってしまった。






　あぁ、なんと悲しい運命なのか。

　ワニ園ではお肉が毎日食べられる、だから幸せだったのに。


　それなのに大雨の時、自分から楽園を出てしまった。



　え、自分から逃げ出した？？？

　自分から・・・逃げた・・・。


　そうか、そうなのか！！


　ワニは・・・ワニは自由になりたかったのだ。

　やっぱり人間に餌をもらうのはワニらしくないのだ。

　元々、ワニは独りで生きてきたのだ。

　本来の野生の姿に戻ろう。

　どんなに厳しくても狩りをしなければならない。

　太古の昔、恐竜の時代よりワニは戦って生きてきたのだから。

　行こう、行こうよ、戦いの旅に、狩りこそ我が人生、戦いこそが真実。

　勝利したワニだけが生き残る、それが自然界の掟なのだから・・・。





　ワニは草原の水場に帰った。

　こうして今日も、生きるためのワニの戦いが始まる・・・。








（終わり）






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