《 軍用犬の旅 》 その1
  
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   ずっと昔、捨て犬だった僕達に優しくしてくれた人がいた。
  
   その人はお腹を空かせていた僕達に美味しい食事をくれた。
  
  
  
  
   僕の尊敬するご主人様。 兵士という仕事をしている。
  この国の平和を守る素晴らしい仕事だ。
  
   そして僕も心に決めたんだ。
  人々を守る立派な軍用犬になろうと・・・。
  
  
  
  
  
   月日は流れ、僕も大きくなった。
  ご主人様はいつも変らず僕を愛してくれる。
  あぁ、僕もはやく立派な戦士になりたいなぁ。
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
   突然、それは起こった。
  
   巨大女性が出現したのだ!!
  
  
  
  
  
  
   たいへんだ!! 彼女が上陸したら都市は壊滅する。
  よし、軍用犬である僕が巨大女性をやっつけてやる!! 今こそ戦いの時だ!!
  
   僕は全く躊躇うことなく水に飛び込む。
  
   ふふふ、僕が巨大女性をやっつけたら、ご主人様は何て言うかな?
  きっと褒めてくださるに違いない。 これで僕も立派な軍用犬だぁ!!
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  犬:「た、隊長、溺れました!! 僕は泳げなかったのです。 助けてください!」
  
  隊長:「何やっとるねん、はやく上がってこい」
  
  
  
  
  
  犬:「隊長、軍用犬である僕は、国のため市民を守るため命をささげる覚悟です」
  
  隊長:「いいから、はやく上がってこい」
  
  
  (軍用犬の旅 終わり)