巨大美少女ミカ (12)

           (不運な泥棒 改題)

                           NEW2さん みどうれい作

第一部 不運な泥棒(その12)

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 なんとかしないと負ける! とにかく今は時間を稼がないと。
「ひどい、お姉さまが私に手を出すなんて。 (;_;)」 ミカは半泣きで立ちあがった。

 リィナは厳しい表情で言う。
「ミカ、あなたは大変な事をしようとしてたのよ。 まだそれでもやるというのなら 許さないわ。」


「お姉さま。私が間違ってたわ。 (T_T)」
 巨大少女の術を使ったのか、それとも元々そういう特技があったのか、
ミカの目から、涙がぽろぽろ流れ出す。

 リィナの目には、いかにも妹が反省しているように見えた。
涙を流す妹を見てリィナは戸惑った。 彼女は生まれて初めて妹を殴ったのだ。 

 もちろんミカはうそ泣きをしているのだが、リィナには分からない。
リィナには、同等の精神力を持つ妹の心を、テレパシーで読むことはできない。
いや、たとえできたとしても、リィナは、人の心を覗き見るようなことはしないだろう。

 数々の術を使え、強靭な肉体を持つ彼女達巨大少女が、
まさか、うそ泣きなどという情けない事をすると、リィナは考えてもみなかった。

「いいのよ。 もう、戻りましょう。」
 心の優しいリィナは今、妹を張り倒したことを後悔していた。

「許してくださるの?」
 ミカは寛大な姉を尊敬したような目で見る。 もちろん芝居であるのだが・・・。

「ええ、このような間違いは誰でもあるものよ。」


「お姉さま・・・、ありがとう。」
 この時、ミカは姉のパワーが急速にレベルダウンしているのに気がついた。

 ミカは、だいたいの状況を理解した。
彼女達一族は、あまりに破壊的な力を持っている。
普通にしていても、着ている服が破れて、自分の家までぶっ壊してしまう。

 それではいくら何でも話にならない。
彼女達は、相手を守りたいと思っている時には、自然に力が弱まり、
本気で力が欲しいと望めば、いくらでも強くなれるのではないか?

 強靭な肉体を持つ彼女達は、自分達の世界で暮らしていて、
今まで何かに脅かされたり、相手を憎んだりしたことがない。
従って、強大すぎる力を解放し、わざわざ自分の世界を破壊する必要など全く無かったのだ。

 さっき、姉のパワーが強くなっていたのは、悪の道に走る(?)妹に、
正気に戻ってほしいと、願ってのことだったらしい。
そして、今、妹が反省していると勘違いしたので、リィナの力は弱くなっていた。

「ラッキー、私って、ついてるわん。」
 姉のパワーが通常レベルまで低下したのを知り、ミカは微笑む。
意識せずにやったのだが、どうやら、ミカのうそ泣き作戦は効果があったようだ。

「同じ巨大少女を相手にしているのに、攻撃の手を緩めるとは・・・、甘いですわ、お姉さま。」
 ミカは、姉に見えないように、顔を下に向けて舌をぺろっと出す。

 しかし、ほぼ同等の力になったとはいえ、それでも状況はミカが不利だ。
なにしろ、ミカは姉と闘いたくない。 ただこびとと遊びたいだけだ。

 姉を傷つけたくないので、当然ミカの体にはパワーが沸いてこない。
ならば力勝負になったら、強い意志を持つ姉の前に、ミカは確実に負ける。
「くっ・・・、何か作戦はないのかしら?」 ミカは焦る。


 後になって思えば、この時リィナは、妹が泣こうが喚こうが遠慮しないで、
タコ殴りにし、力ずくで降参させてしまうべきだったろう。
 そうすれば、ミカも痛いのがいやだから、一時的にこびと達と遊ぶのを諦め、
久太郎や第二こびと丸の乗組員たちを、解放していたかもしれない。

 しかし運命の女神は、ミカに微笑んだ。
この時、ミカの頭の中にある呪文が浮かんだ。
「なんだろう・・・、これ?」 ミカはいぶかしげに首をかしげる。



 それは二年前、彼女達の母親が唱えた麻痺術の呪文だった。


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 この時、第二こびと丸副長二毛山は、出航の準備を急がせていた。

 この島には恐ろしい怪物がいる。
残っている乗組員を守るためには、たとえ、船長達を置き去りにしても、船を出すしかない。
二毛山はそう決断していた。 孝治が反対したが、彼の決心は固かった。

 しかし、二毛山も、完全に冷徹な人間ではなかった。
彼は、島に残る「船長達」のために、できるだけのことをしようと考えた。


 第二こびと丸には、万一の事故に備えて、脱出用のゴムボートが積まれていた。
二毛山は、そのゴムボートを、海岸に残しておくことにした。
 怪物(?)が、二回とも陸上に現れた以上、海上は安全かもしれない。
もし、船長達が逃げて、ここに戻ってきた場合、ゴムボートがあれば、
それに乗って、海に脱出することはできる。

 もちろん、それにはエンジンなど、ついていない。 
乗組員全員は乗れるが、オールで自分達が漕ぐ「単純な大型のゴムボート」だ。
万一の遭難に備えて、救助が来るまで海上で待つための、一時しのぎのボート。 
そんなものに乗って海に出たら、漂流することは間違いなかった。

 しかし、生きてさえいてくれれば、救出される可能性はある。
そう考えた二毛山は、思い切りよく、船に残っていた水と食料を全部、
ボートに置いていくように、指示をしたのだ。


 ところが、二毛山の行動が吉とでたのか、ボートの準備ができたころに、
走、隙夫、剛の3人が戻ってきた。
「おぉ、みんな、戻ってきたか。 船長と逞夫はどうした?」
 二毛山は3人に聞いたが、パニック状態で誰も正確に答えられる者はいなかった。

「今度こそ船を出す。 早く乗れ!」
 3人の乗りこんだ船は動き出し、岸を離れた。

「二毛山さん、大変です。」
「孝治、どうした。」
「あそこから走ってくるのは船長と逞夫じゃないですか?」
「何だと?」

 確かに、月明かりの中、こちらに向かってくる2人の人影が見えた。

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「さぁ、戻りましょう。」 妹が反省したと考えたリィナは、ミカに言った。

「い・や・よ!」 ミカはリィナを両腕で押した。

 油断していたリィナは、その場に倒れた。
「何をするの!」 リィナはすぐに起き上がった。

 ミカは一瞬謝ろうかと考えた。
もしかしたら、これが姉と仲直りできる最期のチャンスかもしれない。

 が、そうしたいという思いとは逆にまるで何者かに操られているように、ミカは次なる行動をした。
「ほほほ、甘いわ、お姉さま。反撃なんてしようとは思わないでね。
この子が どうなっちゃうかしらねぇー。」
 ミカはそう言って、久太郎をはさんだままにしている胸を、両腕で寄せる。

「うわぁぁぁ。」
 下半身の自由を奪われたままの久太郎の両側から巨大な肉の塊が迫ってくる。
もしここで彼を守っている結界が解かれたら、
その恐るべき圧力で、彼は跡形もなく潰されてしまうだろう。

「やめろぉぉぉ!」
 久太郎は両腕を広げ抵抗しようとしたが、再び彼の姿はミカの胸の谷間に隠れてしまった。

 ミカは勝ち誇ったように、言う。
「お姉さま、やはり手が出ないようね。 私は平気よ、この子の代わりはいくらでも いるの。」


「う・・・。」 リィナは戸惑った。
 どうやら、ミカは、ハッタリを言っているようだ。

 妹に、こびとを潰すつもりはない。 リィナはそう確信した。 
しかし、事故は起こる。 もし巨人二人が本気で乱闘をしたら、彼は危険かもしれない。
 この時リィナは、ほんの少しだけためらった。 

 リィナの予想通り、ミカは、久太郎を潰すつもりなど全くなかった。
ミカがこんな脅迫をしたのは、術を完成させる時間かせぎをするためだった。

「ふふふふ、お姉さま、そのまま動いては、ダメよ。」 彼女は、何かの呪文を唱え始めた。

「なんですって!!」 リィナは叫んだ。
 その呪文に聞き覚えがあったのだ。

 以前リィナも、オトコが欲しくて、人の街に飛び出そうとしたことがあった。
その時、怯えるミカの横で、彼女達の母親は「麻痺術」を使い、リィナを動けなくした。
 今、ミカは、あの日、母親が使ったのと同じ呪文を唱えていたのだ!
優れた能力を持つミカは、姉に勝てる唯一の方法を記憶していたのだ。

 同じ巨人の肉体を、麻痺させてしまう極めて高度な『術』。 
それは一族の中でも、彼女たちの母親しか使えない技だった。

 驚愕するリィナの全身から、いきなり力が失われていった。
そのまま、彼女は、砂浜の地面に、ばったりと倒れてしまった。
妹がここまで強くなっていたとは、リィナも予想していなかった。

「あははははは!! お姉さま、私を甘くみましたわね。 形勢逆転ですわ。
いくらお姉さまでも、お母様の術は破れませんわ!」 大きな声でミカが笑う。

 今、リィナの全身は、痺れて動けなかった。 
しかし、完全に昏睡状態になった以前と違って、彼女の意識は、はっきりしていた。
「ミ、ミカ、何をするつもり・・・。」 地面に横たわったリィナは、うめいた。

「ほ、ほ、ほ、もちろん動けないお姉さまに、イタズラをするに決まっていますわ!」
  
「ミカ!!」 リィナは、自分がとんでもない窮地に陥ったことを知った。

「それも、ただイタズラをするのでは、ありません。こびとさんを使ってするのです。」
 勝ち誇ったミカは、無茶苦茶なことを言う。


 ミカは、胸の谷間から久太郎を摘みだし、彼に優しい声でささやく。
「ふふふふ、こびとさん、さっきは潰すなんて言って、ゴメンナサイ。 怖かった?
あれは、ただの冗談よ。 可愛い可愛いあなたに、そんなヒドイことしないわ。」

「嘘だ! ひどいこと、しまくってるぞー。」
 久太郎が元気ならそう叫んだかもしれないが、疲れきった彼は、その気力もなかった。

「うふふふふ、こびとさん、コワイ思いをさせたお詫びに、あなたを天国に招待するわ
小さなあなたを使って、お姉さまの美しい体に、恥ずかしいことをしてあげるの。
お姉さまが嫌がってもがいても、私は許してあげないのよ〜ん。
いやぁ〜ん、私って、いけない娘になってしまいそうだわー。」

「もうとっくに、いけない娘だー。」
 と、つっこみを入れる余裕は、もちろん、疲れきった久太郎になかった。

 それから、久太郎を握り締めた巨大な手は、ゆっくりと動けないリィナの方に伸びていった。

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「どうした、全然、島から離れていないぞ!」 二毛山がどなった。
 船長たちを救出した第二こびと丸は、海に出たものの、何故か全く前に進めなかった。
まるで見えない壁に、進路を塞がれているようだった。
 街の光が見えているのに、そこに行けないとは。 こんな奇妙なことはありえなかった。

 二毛山は、自分たちがまだ危険な島から脱出できていないことを理解した。

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 麻痺術・・・、それは、相手の神経細胞に、彼女たちの超感覚で入り込み、
一時的に相手の体を動けなくする技だった。 
 ミカは、先刻、彼女の寝室で、久太郎をくすぐりまくった時、
無意識のうちに、超感覚の使い方を理解したのだろう。

 それにしても、相手が非力なこびとの久太郎ならともかく、
同じ巨大女性を相手に、こんなことができるなど、ミカの力は相当強くなっているようだ。

「くっ。」 リィナはもがいた。
 しかし、彼女の体は、ほとんど動けなかった。

 それでも、リィナは、ミカの術が母親のものよりも強くはないことを、直感していた。
初めてこの術を使ったためか、ミカの術は不完全なものだった。
 しばらくの間、精神集中をすれば、リィナもこの技から逃れられるようだった。


「ふふふふふふ、さぁ、お姉さま、服を脱ぎましょうね。」
 勝利を確信したミカが、倒れているリィナの服に手をかけた。

「ミカ!!」 リィナには、自分が妹にこんなことをされるとは、まだ信じられなかった。

「うふふふふ、心配しないで、私は動けないお姉さまに乱暴するつもりはありませんわ。
私は、お姉さまを愛しているんですもの。
私は、ただ、お姉さまに、『こびとを玩ぶ楽しみ』を、教えてあげたいだけなの。」

 そう言うと、ミカは、リィナの白いドレスの前を大きく開き、ブラジャーを剥ぎ取った。

ぷるるるるん、リィナの大きくて、はりのある二つの乳房が、まろびでた。

「あらー、お姉さま、私よりおっきな胸〜、羨ましいですわ。 ふふふ。」
 それから、ミカは左手に摘んだ久太郎を、口元に運ぶと舌を出しペロリと舐めた。

「や、やめろー!! (>_<)」 自分がどうされるか知った久太郎は、悲鳴を上げる。

 もちろん、ミカは、久太郎の意思など、全く気にしていなかった。
「ふふ、私たち美人姉妹の体を二人とも、楽しめるなんて、あなたは幸運なこびとさんね。」
 それから、彼女は、久太郎を、ゆっくりと動けない姉の体の上に運んだ。

 目の前に、もう一人の巨人の山のような乳房が迫るのを見て久太郎は、必死にもがいた。
しかし、彼を摘みあげている巨人の指は、その動きを止めることはなかった。


「あぁ、 そ、そんな!」 自分の乳房に、こびとの体を押し付けられるのを感じ、リィナは驚いた。
 すごく、気持ちが良かったのだ。

 先ほど船長たちを助けた時に、リィナは気がついていたのだが、
こびとの体に触れることは、リィナに今まで経験したことのない快感を与えてくれた。

「ふふふふ、 どう、お姉さま? これが『こびとさんの体』
 ミカは、悲鳴を上げる久太郎を摘んだ指を、姉の上半身の上で、ゆっくりと動かした。

「ねぇ、お姉さま、感じるでしょう。 こびとさんの柔らかくて、非力な小さい体を。

ふふふふ、こびとさんで遊んだら、こんなに気持がいいのよ。」

「あっあぁ。」 リィナは、なんとか妹の麻痺術を、打ち破ろうとしたが、体に力が入らない。
 それよりも、リィナは、彼女の体を貫く未知の快感に戸惑っていた。

「ふふふ、もうすぐよ、もうちょっとで、お姉さまもこびとさんが忘れられない体になってしまうわ。
そして、私といっしょに行きましょう。 楽しい世界に!!


 それから、ミカは、ふと海の向こうに見える街の光を見て、こう言った。
「ふふ、きれいな夜景。 きっと、大勢のこびとさん達が、あそこにいるのでしょうね。
そうだ、お姉さま、後でいっしょに街に行って遊びましょう。 きっと、楽しいですわ。」

 勝ち誇ったミカの笑い声が、響いた。





(その13に続く)


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