巨大美少女ミカ (8)

           (不運な泥棒 改題)

                           NEW2さん みどうれい作

第一部 不運な泥棒(その8)

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 ミカは、こびと久太郎太ももから解放すると、ぐったりしている彼を気にもせず、
そのまま左手に握り締め、立ち上がり、戸棚を空けてスポーツバッグを取り出した。

 そして、それに必要になりそうな物を詰め込むと、彼女の広い部屋の奥へ進んだ。
その奥には、さっき彼女が久太郎を握り締めて入ってきたのとは、別の扉があった。
彼女はその扉に手をかざし、目を閉じなにやら呪文のようなモノを唱えた。

「な、何を、しているんだ・・・。」
 彼女の太ももの力から、ようやく、回復したのか、久太郎は、顔を上げた。
彼女の呪文は、リィナとかいうもう一人の巨人が、さっき唱えたのとよく似た響きだった。

「また・・・、何か術を使うつもりなのか?」
 彼女たちが術を使うたびにヒドイ目にあっている久太郎は、逃げようともがいたが、
もちろん、彼を捕まえている彼女の指はぴくりとも動かなかった。

「さぁ、これでいいわ。」
 彼女は嬉しそうに微笑んだ。
そして、手の中のこびとに目を向けて、話しかけた。
「ふふふふふ、こびとさん、いいところに連れて行ってあげるわ。
あなたも、きっと、そこが気に入ると思うわ。」

「イヤダー!! いいところなら、お前一人で行けー! (T_T)」
 久太郎は叫んだ。 どうせ、ろくな場所ではないだろう。

 もちろん、ミカは彼の言うことなど、完璧に無視をしていた。
彼女は、そのまま、その扉を押し開いた。


 扉の向こうは・・・、南の島だった。

「げぇ!?」  彼女の手に握り締められたままの久太郎は、絶句した。

 太陽はさんさんと輝き、海からの風が、女巨人の髪を揺らしていた。
彼は、浜辺と、海岸から少し離れた珊瑚礁にはじける波を見つめていた。
下半身は動かないが、なんとか首を回して、後ろを見ると、
はるか彼方に高い山がそびえ、ジャングルと言ってもいいような森が広がっていた。

 彼は、そのあまりの美しさに息をのんだ。

 巨人ミカは、今、青く美しい海を見ながら、広大な砂浜に、立っていた。

 彼女が、入ってきたドアとその枠組みが、ぽつんと浜辺に存在していた。
もちろん壁などどこにもない。 それは、実に違和感のある光景だった。

「そんな、アホな・・・。」 彼はつぶやいた。

「ここは、お母様が、私の7歳の誕生日のプレゼントにくださった島よ。
ふふふ。 驚いた? こびとさん。」

 誕生祝いが・・・、島? 彼は呆れた。
そう言えば、まだ姿を見せていないが、お母様なる巨人がもう一人いるらしい。
彼女たちの会話を聞く範囲では、どうもとんでもない大物のようだ。

「この島には、誰もいないの・・・。 いるのは、私とあなたの二人だけ。
だから、誰にも気兼ねしないで、遊べるわ。 たっぷりとね・・・。
ふふふ、楽しい場所がいっぱいあるのよ。今から案内してあげるわね。」
 ミカは楽しそうな声で、笑った。

 久太郎は、驚愕の中でも、少しずつ事態を理解してきた。
「お母様は結界をはり、私たちの世界にお父様を引き込んだの。」
もう一人の女巨人は、確かそんなことを言っていた。

 巨人たちも、ずっと屋敷にだけいるのでは、あるまい。
自分たちの世界があるのだろう。

 久太郎が、そこに紛れ込んでしまったからには、
人のまだ知らない『異次元の裂け目』のようなモノが、あるに違いない。
彼女たちは、それを使って、自由にどこにでも行けるのかもしれない。

 ここは・・・、異世界の無人島? 
予想しなかった展開に、久太郎は、しばらく呆然としていた。

 しかし、すぐに彼は、自分の下半身を捕らえる強い指のぬくもりを、思い出した。
そうだ・・・、俺は、この巨大イタズラ娘といっしょにいるんだ。

 彼は、ぼんやりとその意味を考えていた。

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 空間に『異次元の裂け目』を造り、どこでも、好きな場所に移動する。
正直な話、ミカは、何故こんなことができるのか、全く理解していなかった。

 先ほど、彼女は異次元の扉に、呪文を唱えてはいたが、
あれは本人確認の声紋チェック、扉を開けるための鍵のようなものだった。

 空間をねじ曲げ、ミカの部屋と『異世界の南の島』とをつないだのは、彼女の母親だった。
自分の娘の喜ぶ顔が、見たかったのだろう。

 とんでもない大技なのだが、普段からほとんど何も考えていないミカにとって、
それは電車に乗れば、隣の駅に着くようなもので、別に不思議だとも思わなかった。

 どうでもいいことだった。 
ミカは、楽しければそれでよかった。

 ミカは、よく姉のリィナと、この島に遊びに来た。
誰もいない南の島で、大好きな姉と、遊ぶのは、とても楽しかった。

 青く澄み切った海、輝く太陽、彼女の肌をくすぐる風、白い砂浜、緑の森、
彼女は、この島の全てが好きだった。

 そして、今、彼女は、大好きなこの島にいる。 こびとさんと・・・二人だけで。
彼女は今、彼と何をしようかと考えていた。

@@@@@@

 ふふふふ・・・。 可愛いこびとさん。
ねぇ。何をして遊ぶの。 この島には、誰も邪魔する人はいないの。

 非力なこびとさんと・・・、とっても強いこの私の二人だけ・・・。

 ねぇ、大きな女の子と、可愛いこびとさんが、二人だけで、誰もいない島に行った時、
どんなことをして遊ぶのかしら・・・。

 海に入って、いっしょに遊ぼうかしら?
大波をおこしたら、こびとさん驚くかしら。

 砂浜で、こびとさんを踏みつけてあげるのもいいわね。
そう言えば私の足は、まだこびとさんと遊んでいなかったもの。


 それから、こびとさんを砂に埋めてあげようかしら?
こびとさん、ほんとに泣いちゃったらどうしよう。

 森の中で、追いかけっこをするのも、楽しいわね。
油断しているふりをして、こびとさんをわざと逃がしてあげるの。

 こびとさんは助かるかもしれないという希望をいだいて、必死に逃げるわ。
そして、彼が助かったと思ったところを、また捕まえちゃうの。

楽しいと思うわ、きっと。

 私は、彼を二本の指に摘み上げて、こう言うの。
「ふふふふ、私から逃げるなんて、悪いこびとさんね。」 って。

 もちろん、その後は、お仕置きよ。

 島の中央の山に登って、溶岩の煮えたぎる火口を見せてあげるの。
鍾乳洞の底に閉じ込めて、岩で出口を埋めてしまうのも面白いかもね。

 あぁん、もっと、もっと楽しい遊び方はないのかしら。
ミカは、どうやって、彼と遊んだらいいかを想像するだけで体が熱くなるのを感じていた。

 あ、あれ・・・?? 
ミカは首をかしげた。 なんだか少し眠たくなってきたのだ。

 ふとミカが顔を上げると、海の向こうに灰色の雲の塊があった。
雷が走っている。 嵐が近づいているらしい。

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 南の島を訪れた巨人ミカとこびと久太郎、
しかし、この二人の邪魔をする者達があらわれるとは、誰も予想していなかった。

「おい、どうなってるんだ?」
 漁船第二こびと丸は、嵐の中を漂流していた。 乗組員の一人が言った。
「陸地が見えるぞ〜。」
「助かった。」
 乗組員たちは、舟の甲板に出て、向こうに見える陸地を眺めた。
別の乗組員の一人が、不思議そうな声で言う。
「変だな。 今まで陸地なんて見えなかったのに・・・。」

@@@@@@@

 南の島の天候は、かなり変わりやすいらしい。
ほんの少し前まで晴れていたのに、突然の雨がミカ達の上に、降り注いでいた。
「残念だわ。 一日目に突然嵐なんて……。」
 ミカは呪文を唱えると、彼女に合うサイズのテントが、どこからとも無く出現した。

「こびとさん。私が寝ている間に逃げようなんて、思わないでね、ふふふ。」

「逃げないでどうするんだよ(-_-;)」
 久太郎はミカが寝返りを打てば、潰されてしまう位置で寝る事になっていた。

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「ここには人がいる、あの巨大なシートは工事現場かもしれない。」
 島に上陸した、第二こびと丸の乗組員の一人が発見したもの、
それはまさしくミカと久太郎が居るテントだったのだ。

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「まったく、付き合ってなんか居られるかよ。」
 久太郎は、ミカが寝静まったのを確認すると、彼女の作りだした巨大テントを抜け出した。

 外は真っ暗だった。
が、以前かけられた術の効き目が残っているのか回りははっきりとみえた。
久太郎は今、ミカがテントをはった砂浜にいた。
 森と砂浜の境目あたりに、野いちごのような実のなる植物が生えていた。
久太郎は喉が乾いていたので、その野いちごの実をもいで食べてみた。
びっくりするほど、その実は美味だった。

 空を見上げると、星がきれいだった。
(こんなきれいな星空を見たのは、何年ぶりだろう……)

 久太郎はさらに思いをめぐらせた。
あの巨人には散々死にそうな目に遭わされてきた。
が、殺す気は無いのだろう。そうでなければ結界の呪文などかけてくれなかったはずだ。

 彼が振りかえり、ミカの作りだした巨大テントに戻ろうとした時、
ふいに彼は、誰かに後から肩をたたかれた。
久太郎が振り向くと、何人もの男達がいた。
そう、この島に漂着した第二こびと丸の乗組員たちだった。

 久太郎は巨人姉妹の家に忍び込んで以来、自分と同じ人間に会うのは初めてだった。
久太郎は、彼らに話し掛けようとした。

 が、その第二こびと丸の乗組員たちの顔が、恐怖にひきつった。
「うわあああっ!!」
 彼らは叫び声を上げ、クモの子を散らすように逃げ出した。

 その直後である。 天空にミカの声が響いた。
「あらあらこびとさん。逃げたと思ったら、
お友達が欲しかったのね。 ふふふ。」

 すぐに久太郎はミカの巨大な指に摘み上げられた。
向こうのほうから叫び声が聞こえてくる。

 久太郎は自分を摘み上げて居る以外のもう一方の手に、
先ほど久太郎が出会った人たちの一人であろう男がわしづかみにされていた。

 遠めにみてもわかる筋骨隆々であるその男は太い腕で、
ミカの巨大な指を押し広げようとしていた。
が、彼の力をもってしてもミカの巨大な指はまったく動こうとしなかった。

「なんて素敵な夜なのかしら。今夜は、眠れそうに無いわ。」
 ミカは両手に一人ずつこびとを持ち、テントに戻っていった。

 テントに戻ったミカは、中にあるシーツの上に座り脚を伸ばし、久太郎に声をかけた。
「こびとさん、夜のお散歩は楽しかったかしら? ふふふふ。
今日はいろいろあったので、ちょっと疲れちゃったから、ひと眠りしちゃったけど、
もう眼が覚めたわ。 ふふふ、さぁ、これから、いっしょに遊びましょうね。」

 そういって微笑んだミカの顔には、久太郎も驚くほどの妖しい魅力があった。
その時、彼は、さっきまでとは違った戦慄を感じていた。

「ふふふふ、でも、その前に、『新しいこびとさん』に、ご挨拶をしなくちゃね。」

 ミカはそう言うと久太郎を摘んで、彼女の『弾けるような胸の谷間』に挿入した。

「そこでいい子にして待っていなさい。心配しないで、後で遊んであげるから。
私は、あなたを忘れたりしないわ。 こびとさん。」

 かまわないから、俺のことを忘れてくれ〜 と考えている久太郎を、そのままにして、
ミカは、さっき捕まえたばかりのもう一人のこびとに、目を向けた。
彼は、自分の体を自由にしようと、彼女の手の中でまだもがいていた。

「まぁ・・・。」 ミカは、彼が、『最初のこびとさん』よりも、激しく暴れているのを感じた。

 もちろんミカの目から見て、彼の抵抗など、お話にもならないくらい非力だったが、
それでも、色々なタイプのこびとさんがいるということは、彼女にとって驚きだった。
 
「ふーん、勝てると思っているんだぁ、この私に・・・。」
 ミカはそう言うと、指を伸ばして、彼のシャツを摘み、それを簡単に引き剥がした。

 こびとは、悲鳴を上げて、彼女の太い指を押し返そうとしたが、無駄な抵抗だった。
巨人ミカの指の力はあまりにも強く、小さな彼は全く無力だった。

「ふふふふ、楽しいわ、こびとさんの服を脱がしちゃうのって。(^-^)v」
 ミカは笑いながら、今度は、彼のズボンを摘んで、それを引き裂いた。 男の悲鳴が響く。 

 ミカの巨肉に囚われて動けない久太郎は、ただ見ているしかなかった。

「あら。」 その時、ミカが驚いたような声をだした。
 ブリーフ一枚になったこびとは、以外に逞しい体をしていた。

 筋肉の盛り上る分厚い胸板、太い腕、引き締まった太もも、カモシカのような脚、
もちろん腹筋はしっかりと割れていた。 そして、男のくせにその肌はすべすべだった。
彼は、「今すぐターザン映画に出ろ」と言われても、別に困らないようなカラダをしていた。

「へぇー・・・、逞しいんだ、こびとさん。」 ミカはしばらく不思議そうに、彼を見つめていた。
 それから、彼女は、手のひらの上の彼に、彼女の指を伸ばし、そこに押さえつけた。
巨人の指の恐ろしいまでの力に、彼は、悲鳴を上げた。

 ミカはくすくす笑いながら、彼に話しかけた。
「こびとさん、あなたは、とっても逞しいのね。
知っているかしら、『大きな女の子』はね、強い男の人が、好きなの。
ねぇ・・・、私と『レスリング』をしない?
 あなたの力を私に見せて。 あなたの強い力を私に感じさせて。
あなたの抵抗は、私を楽しませてくれるわ。 ふふふふ。」

 そう言うと、ミカは彼を押さえつけた指に、少しだけ力を込めた。
くぐもったような彼の声が響く。 彼は必死になって暴れていた。

 その時、ミカは自分の体が、熱くなるのを、感じていた。



(その9に続く)


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