(注)この物語は、成人を対象にして書かれており、未成年を対象にしていません。
もし、あなたが18歳未満ならば、この作品を読まないでください。


 試運転(第一章)

                     作 だんごろう


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第一章:彩先輩・・・・・

“あ〜あっ、二十歳すぎかぁ。彩先輩と会ってから、もう7年以上になるのよね。彩先輩どうしているのかなぁ。会いたいなぁ”

下りの最終電車。空いているが、遅い時間の電車らしく、椅子に寝崩れている酔っ払いの鼾が聞こえていた。
その酔っ払いの斜め前に、淡いピンク色のワンピースを着た女性が座っている。
小柄な153センチの身長だが、胸だけは標準以上に大きく育ち、それが、ワンピースを大きく膨らませている。
でも、大きな目がクルクル動く、丸い可愛らしい顔つきなので、年齢相応に人から見られない。大抵、初めて会った人からは、「高校生ですか?」と聞かれてしまう。

女性の名前は舞。年の離れた兄がいる二人兄妹。
未熟児で生まれ、生まれた時は目ばかり大きく、当時、小学校の低学年だった兄が、乳児室で大きく目を見開き小さな顔を真っ赤にして泣いている赤ん坊を見て、「うちの赤ちゃんて、すずめの赤ちゃんみたい」と言ってしまい、それ以来、しばらく家族の中では、”すずめの赤ちゃん”が彼女のあだ名になっていた。
今でも、親戚が集まって当時の話になると、「ほんとに、舞ちゃんは、生まれた時はすずめの赤ちゃんみたいだったね」と言われるが、言われた舞も、”むむぅ”と、それがほめ言葉かどうか分からず、返事に困っている。

未熟児で生まれたこともあって、小学校で、朝礼で並ぶのはいつも先頭で、そこが自分の指定席だと思っていた。
大きな目がくるくる動いて、小さな身体で元気いっぱいに動く、ひょうきんで楽しい子供だった。

家族に愛されて、家族の中ではいつまで経っても、“小さな舞ちゃん”。だから、この年になってもまだまだ甘えん坊。
ただ、気持ちがすごく優しく、小さな子供が大好きで、短大を卒業したら幼稚園の先生になるのが夢。

行っている短大は、一貫教育のお嬢様学校として有名な私立校。そこに、家から電車を乗り次いで通っている。中等部から入学し、高等部、短大と進み、既に、7年以上通っていることになる。今では、“ここは私の学校”って顔しているが、中等部を受験した時は、それは大変だった。何しろ算数がまったくできなかった。塾に通ったり、家庭教師を付けたりもしたが、教わっている時は分かった気持ちになっているらしいが、次の日にはどうやって解くのか分からなくなる。時々、教えていた、当時、高校生だった兄もさじを投げてしまい、「舞ちゃんには、中学受験は無理だよ」と言い出す始末。それでも、好きだった国語で何とか点を取れたらしく、無事、入学できた。

家族にお祝いされて、可愛らしく少し大きめのセーラー服に身を包み、中等部に通いだした。
でも、小さな舞ちゃんにとって、通学も大変。
教科書、辞書、ノート、体操服、上履き、体育館履き、折畳み傘、お弁当に水筒を、記章の付いた二つバッグと、お母さんが作ってくれた袋に詰めて、「行ってきます」と、毎朝、元気に家を出て行く。でも、その両手の荷物で、歩く姿はよろよろ。それを心配そうに見送るのが、当時の家族の日課だった。

そんな舞ちゃんももう二十歳すぎ。お酒も飲める年になっていた。

電車の中には、相変わらず、酔っ払いの鼾が聞こえている。

舞は、ケータイを取り出して、メールの受信をチェックする。
”やっぱ、彩先輩からきていないなぁ”
彩には、定期的にメールを出している。だが、良くて、「今忙しいから、今度メールするね」の返事が来るくらいで、大抵は何の返信もない。でも、舞に取っては、彩は憧れ、たまにしか返信が来なくても気にしない。メゲルことなく、定期的にメールを出し続けている。

電車の中で、舞は、“彩先輩”のことを考える。彩との思い出は、舞にとっては、何回も思い出しているとても鮮明なもの。
それを思い出す度に、とても懐かしく、心が温まる思いがしていた。

初めて、舞が彩に会ったのは、中等部の一年生、学校に通い始めてから三日目のこと。
電車に一人で乗るのも不安だし、電車を間違えていないか、定期を無くさないか、心配で、まだ、通学自体がとてもドキドキしていた。
学校の最寄駅で電車を降りて、ちゃんと定期を定期入れにしまうと、張り詰めていた緊張が解け、ようやく安堵のため息が、小さな口が漏れていた。

その日は、駅から出ると、外は小雨だった。バッグの中に折畳みの傘が入っている。それを取り出して、差していけば問題はなかった。
でも、両手に持つ紺色の重いバッグが手の平に食い込んでいた。傘を差して、バッグを持って歩けるか不安だった。それに小雨だし、”このまま、行っちゃえ”と、その雨の中を歩き出した。

雨はすぐに本格的になり、髪の毛から滴が垂れてくる。でも、傘を取り出すためには濡れ始めている歩道にバッグを降ろさなければならない、また、雨の中を走ろうにも、バッグが重くて走ることもできない、そのまま雨の中を濡れながら歩いていくしかなかった。
どうしようもなくなり、とても辛くなって、涙が流れてきた。
”おうちに帰りたい”

その時だった。
自分の上に雨が降っていないことに気づいた。
”あれ?周りには雨が降っているのに・・・”
見上げると、大きな緑色の傘が、高い位置で、空を覆うように広がっていた。
”傘?”
そのまま、後ろを見ると、とても高い位置に、長い髪の中で優しそうな顔が微笑んでいた。
目が合うと、「おはよう」と軽やかな声で話しかけてくる。
慌てて、舞も「お、お、おはようございます」と返事をするが、咄嗟のことでドギマギしてしまう。
それに着ている制服が、舞の中等部の制服と違う”高等部の人”。
舞にしてみれば、大人の女性に思える。
さらに、その彼女から、「一年生でしょ? 私は彩っていうのよ」と、先に名前を言われてしまった。

”彩、彩さんって名前でしょう。高等部になると名前だけで言うの? でもそれって大人っぽい!”と、自分も真似をして、「ま、舞です。一年生になりました」と後ろを振り仰ぎながら答えた。
彩は、「そう、舞ちゃんって言うのね」と、ニコニコしていた。
舞にはその笑顔が眩しく、思わず下を向いてしまった。

彩にしてみれば、自分の胸にも届かない、小さな一年生。泣きべそ顔で、雨の中を重いバッグを両手にぶら下げて歩いている姿はとても可愛く、放っては置けないものだった。
さらに、彩は片手を伸ばして、舞が持っている重そうなバッグを取り上げて、自分のバッグといっしょに持った。

舞が、“あっ”と思った時には、既に、重いバッグを彩が軽々と持っている。
「大丈夫です。一人で持ちます」と舞が言うのを、
「良いから、良いから」と彩は気にした様子もなく、持ち続ける。

学校の門を入り、手前にある中等部の校舎の前で、二人は分かれた。
舞は、彩を見上げて、「彩先輩、ありがとうございました」。
彩は、バッグを渡しながら、「You’re welcome、舞ちゃん、またね」。そして、軽くウィンクをすると、高等部の校舎に向かって歩き去っていく。
舞は、中等部の校舎の出入り口から、彩の後姿を見続けていた。
”お兄ちゃんと全然違う。あんなステキなお姉さんがいたら、どんなに良いだろう”
背が高く、きれいでやさしい彩が、その時から、舞の憧れの人になった。


それから、舞は彩先輩のことを、色々と調べ始めた。
水泳部のエースで、高等部の2年生で、自分の家とは反対方向から学校に通っていた。
身長は、175センチ以上あり、まだ伸びているとかの情報もあった。
舞の当時の身長は140センチもなかった。どう背伸びしても、届かない高さだった。

それに、あの長いさらさらの髪は、舞にとっては憧れだった。
学校の校則は厳しい。髪の長さが肩まで届く場合は、髪を束ねることが決まっていた。
そのため、入学前に、母から「毎朝、髪を束ねることは、入学したばかりでは無理だから、髪の毛を短くしなさい」と言われていた。

でも、長い髪が好きだった。
小学校の5年生の時に、習っているピアノの発表会に向けて髪を伸ばし、それを美容院できれいにまとめてもらったことがあった。その時、鏡に写るお姫様みたいな自分が、自分とは思えないほど可愛らしかった。
だから、短くするのが嫌だった。母に抵抗をしたが、結局、入学式の前日に母にむりやり美容院に連れて行かされ、髪を短くされてしまった。

さすがに、中等部で校則に違反している髪型はいなかったが、高等部には何名かいた。
だが、堂々と、腰近くまで髪を伸ばしていたのは、彩、一人だけだった。
厳しい校則をどのように潜り抜けているのか不思議だったが、舞には真似のできないことだった。
舞は、その秘訣を彩に聞くこともなく、長い髪の毛に憧れながら、中等部と高等部の6年間、その短い髪型で過ごしている。

舞は、彩と初めて会った翌週の昼休み、さっそく仲が良くなったクラスの友達と、高等部の校舎に探検に行った。
校舎に入ると、大きなお姉さんばかり。舞の友達も小柄で、二人とも不安になりながら、校舎の中を進んだ。
友達から、「舞ちゃん、帰ろうよぉ」と言われたが、でも、もうすぐ、彩がいる二年生のクラスの場所にたどり着く。舞は、「あそこで、終わりにするから」と、友達の手を引っ張っていった。

“彩先輩のクラスだ”
舞の心臓はドキドキしてきた。そして、教室の入り口から中を覗き込んだ。
“彩先輩!”
彩が、椅子に座って、友達と話をしていた。
舞は、彩の姿を見たら、直ぐに帰るつもりだった。
だが、開け放たれた窓から流れ込む風で、憧れの彩の長い髪がたなびくのを見て、その場に立ち尽くしてしまった。
彩も、出入り口にいる人影に気付く。先週会った、中等部の一年生だ。
「舞ちゃん?」と声を掛け、手招きをする。

舞も声を掛けられたのでビックリするが、慌てて、「は、はい」と返事をし、どこからそんな勇気が出たのか分からないが、嫌がる友達の手を引っ張り、緊張で震える足で教室に入り、そのまま、彩の前に進んだ。

彩は、話していた友達に、「だれ?」と聞かれ、「私の妹、舞ちゃんとそのお友達。可愛いでしょう」と明るく答える。
その言葉に、舞は、頬が熱くなるのを感じた。“舞は、彩先輩の妹!”
彩の友達は、怪訝そうな顔で、「あれ、彩に妹なんかいたっけ?」と言うが、彩は、澄ました顔で、「いいの、いいの、先週、生まれた妹なの。ちょっと成長が早かっただけ」と冗談で答えていた。
そして、顔が真っ赤になっている舞たちを優しく見ながら、「で、何をしにきたの?」。

舞もドギマギしている。頭の中が恥ずかしさでいっぱいになり、「あ、これは、友達の晴香ちゃん。同じクラスなの」と聞かれていることとは別のことを答える始末。
横で名前を言われた晴香は、慌てて、ペコリと頭をさげる。

彩は、真っ赤な顔をしている舞を、面白そうに見ながら、「ふ〜ん、二人は仲良しなのね。ところで、どうして来たの?」。

ドギマギしている舞に変わって、晴香が、「舞ちゃんが、高等部の校舎へ探検にいこうと、言ったの。それで、」。
途中から、彩が晴香の言葉を継いで、「で、来たってことね。良いよ、私が案内してあげる」と、立ち上がり、二人に向かって手を伸ばす。

晴香は、何の気なしにそのまま手を繋いだが、舞は、自分の前に差し出された手にドキドキしながら、顔をさらに赤らめて、その手の平の上に、自分の手を乗せた。
彩の手は、舞の小さな手を優しく包み込んだ。

そして、彩の案内で、高等部の校舎の中を歩く。
でも、舞は、憧れの人と手を繋いでいることで胸がいっぱいで、彩の説明が頭に入ってこなかった。ただ、彩の言葉に、うんうんと頷くだけだった。


相変わらず、舞が乗っている電車の中には、酔っ払いの鼾が断続的に響いている。

舞の回想は続いている。
“あの時、初めて彩先輩と手を繋いだ。自分の手が、彩先輩の白くきれいな手の中にあった”
思い出しただけで、頬が赤くなる。そして、ドキドキする。
憧れの先輩の手は、大きく、暖かく、そして、すべすべだった。


それからだった。
舞の行動が、より積極的になった。

彩の水泳部での練習を、時々見に行くようになった。
彩が、長い手足で、ダイナミックに泳ぐ。
競泳用の小さ目の水着を着て、鍛えられ、同時に女性らしい線を待つ身体が、水から上がる。
スイミングキャップを外す。憧れの長い髪が広がる。

彩が、舞に気付き、「あら、舞ちゃん」と、近づいてくる。
広い背中、高い腰の位置、長い太腿、すっきりとした膝と脛が、舞の目の前に来る。
舞はドキドキして、真っ赤になって、下を向いてしまう。

舞も水泳部に入ろうと思ったが、元より金づちであり、水が怖い。さすがにそれは諦めざるを得なかった。
さんざん迷ったが、絵を描くのが好きだったので、最後は、美術部に入ることにした。
ただ、美術部には、彩の部活時間に合わせて、遅くまで残っていた。

彩の帰りを待ち伏せするのは、嫌われそうでやりたくなかった。
あくまでも、偶然での出来事にしたかった。
それでも、週に1回か、2回はうまく彩の帰りのタイミングと合わせることができ、お喋りしながら駅まで歩くことができた。
そんなある日、彩のバッグの中でケータイが鳴るのを聞いた。彩はその呼び出し音を無視して、舞とのお喋りを続けていた。
その時、舞は彩がケータイを持っていることを知った。

校則では、ケータイを所持する場合についての注意事項が事細かに書かれていたが、学校に持ってくること自体は違反ではなかった。
舞は、ケータイで彩と連絡をすることに憧れ、どうしても欲しくなっていた。
正月にもらったお年玉もまだある。お金を持って、ショップに行ってみたが、中学生では契約はできないと言われた。

母に頼み込んだ。もちろん、母も簡単には、OKしない。色々と、勉強のこととか、お家のお手伝いのこととか、条件を付けられた。
でも、どうしても、ケータイが欲しかった。母の言うことを全て聞くことにして、ようやく、ケータイを買ってもらった。

一番安いピンク色のケータイ。でも、舞にとっては、彩と連絡が取れるようになる宝物だった。
翌日、母に早めにお弁当を作ってもらい、いつもより早く家を出る。
そして、学校の最寄駅の改札口でドキドキしながら、彩の乗ってくる電車を待った。

登りホームに電車が入ってくる。
改札に向かう人波の中に、彩の姿が見える。
彩は背が高い。その人波のなかでも目立つ。
黒い艶やかな長い髪を、風になびかせ、向かってくる。
舞の胸は高鳴る。

でも、彩は、背が低い舞には気付かずに、その目の前を通り過ぎてしまう。
慌てて、舞は、小走りに彩を追いかける。そして、前を歩く広い背中に声を掛ける。
「彩先輩。おはようございます」
後ろを振り返った彩は、舞に気付く。「あ、舞ちゃん。おはよう。朝、会うのは久しぶりね」
舞は、彩から待ち伏せしていたと思われるのが怖かった。だから、急いで用件を話し出した。
「彩先輩。見てください。ケータイ、買ったんです」
舞は、彩に見えるように、誇らしげにケータイを持ち上げて話を続ける。
「彩先輩にメールをしたいんです。メールアドレスを教えてください」
彩はにこやかにそれに答える。
「私が、先にメールをしてあげる。舞ちゃんのメールアドレスを教えて」

舞は、バックを歩道に降ろし、ポケットから、可愛らしいメモ用紙に書いておいたメールアドレスを取り出し、彩に渡した。彩は、「OK、後で送るから」と、それをポケットに入れた。
それから、二人は、学校までの道のりをいっしょに歩き始める。

二人の他愛無い会話が続く。
舞が喋る。「おにちゃんたら、赤ちゃんだった舞を、すずめの赤ちゃんって言ったのよ。目ばかりギョロッとしていたんだって」
彩の笑い声が聞こえる。
「舞ちゃんの目はほんとうに大きいもんね。それに、舞ちゃんって、とっても可愛いね」
舞の顔が見る見る赤くなってくる。

昼休み、舞のケータイがメールの着信を告げた。
まだ、メールアドレスは、友達には教えていない。それを知っているのは、家族と、彩だけ。
慌てて、ケータイを見ると、メールの題名は、“私の可愛い妹へ”だった。
間違いなかった、彩先輩からのメールだった。
慌てて、そのメールを読んだ。

ハ〜イ、舞ちゃん、彩だよ。
舞ちゃんは、元気で、明るくって、
いつも、こんな妹がいたら良いなって
思えるような女の子だよね。
いつまでも、友達でいようね。

その文章が、絵文字や顔文字といっしょに書かれていた。
おまけに、その文章に続いて、彩のケータイの番号も記入されていた。
さっそく、舞は、そのメールアドレスと、ケータイの番号を登録した。

登録した名前は、“舞のお姉ちゃん”。

その日から、舞は、彩にメールを送るようになった。
でも、しつこいと思われるのは嫌だった。だから、一日、一回だけと決めていた。
学校であったこと、お兄ちゃんのこと、家族のこと、他愛無い内容だったが、それをメールで送り続けていた。
彩からも、同じ頻度で、メールが届いていた。そして、舞は、そのメールを見る度に、とても幸せな気分になっていた。

相変わらず、週に、1、2回はタイミングが合っていっしょに帰る。
お喋りをして、改札口を入った所で、二人は、上りホームと下りホームに分かれる。
彩は上りホーム、舞は下りホーム。
ホームに降りてからも、どちらかの電車が来るまで、線路を隔てて、口ぶりと手振りだけでお喋りの続きをする。
だが、最後は、決まって、大き目のセーラー服を着て、重そうに両手でバッグを持っている舞が、ホームの端に立って大きな声を出し、「彩先輩、メールするね」で終わる。
彩は、その舞の姿に、ほほえましいものを感じていた。
一人っ子だった彩にも、舞が妹のように思えていた。

年月が過ぎていく。
文化祭、クリスマス、バレンタインデー。
その度毎に、小さな舞と、大きな彩の仲は深まっていく。
いっしょに遊びに行ったこともある。

ただ、翌年、舞が中等部の二年になり、彩は高等部の三年になる。
彩は部活を引退し、曲りなりにも受験勉強をするようになる。
当然ながら、舞が彩に会える機会は減ってきた。

さらに、その翌年、彩は高等部を卒業し、短大に入る。
短大も同じ敷地にあるが、中等部とは校舎が離れている。
さらには、時間帯もずれているため、会える機会はめっきりと少なくなる。
メールの交換も、毎日が隔日になり、やがて、週に1回程度になる。

そして、彩は短大を卒業する。
彩の居なくなった学校は、舞には味気ないものに変わる。
それでも、幼稚園の先生になる夢を見つけ、短大に入り、しっかりと通っていた。
背もだいぶ伸びて、ようやく153センチになった。
また、胸も膨らみ、自分の身体に女を意識してくるようになっていった。

でも、彩と会えないことで、その寂しさは募る。

自分の部屋で、ベッドで寝ていると、彩のことばかり考えるようになる。
やはり、プールから上がってきた時の水着姿の彩が頭に浮かぶ。
中等部の一年の時には、見るのが恥ずかしくって、下を向いてしまったその身体だ。
その大きな身体で、舞の頭の中がいっぱいになる。
舞の成熟し始めた身体が、彩を求めて疼く。思春期が持つエネルギーで身体が火照る。
そして、我慢ができなくなる。

舞が、指をパンティの中に忍ばす。
もう、彩への思いで、ぐっしょりと濡れている。
膣のまわりを指で軽く撫でる。指がトロトロの液に覆われる。
その指をクリトリスに当て、ゆっくりと擦る。

そして、妄想の中に入り込む。

舞も彩も、裸でベッドに寝そべっている。
彩の大きな身体は、ベッドに収まりきらず、足先がはみ出している。
舞の横に、彩の広い背中と厚い胸板、さらに、大きく盛り上がっている胸がある。
舞は、その大きな身体の上に飛び乗ると、「彩先輩!」と、胸の間に顔を埋める。
彩が、「困った舞ちゃんね」と、その手を舞の顎にかけ、力を軽く入れて、舞の顔を自分の顔に寄せる。
舞は、その力に逆らうことができず、二人の顔が唇で接する。
舞の小さな口の中に、彩が長い舌を強引に入れてくる。
彩の舌で、口の中がいっぱいになる。
舞の頭の中が真白になる。
彩の舌の動きに応えようと、舞も、自分の舌を絡めようとする。でも、彩の長い舌が、それを翻弄するように蠢いていく。

彩の長い両手が、舞の背中に回りこむ。
キスをしながら、舞の首筋、肩、背中、腰、太腿の裏側まで、その手が伸びて、柔らかく、時には強く、ゆっくりと撫でていく。

彩が、舞の口に唾液を送り込んでくる。
舞の口の中に、その唾液が溢れ出す。
舞がそれを飲み込む音が、“ごくっ”と、二人の耳に響く。

彩の舌が戻っていく。でも、彩の口は開けられたままで、舞を誘っている。
その誘いのままに、舞は、自分の舌を、彩の口の中に差し入れる。
でも、そこは、彩の口の中、彩のホームグランド。
舞の舌は、その中で、良いように玩ばれ、やがて、舞の頭の芯が蕩け出してくる。

ベッドでオナニーをしている舞が、熱い吐息を漏らす。
空いている方の手を乳房に伸ばし、それを揉み始める。
そして、さらに、妄想の中に入っていく。

彩が、舌を出したまま唇を離す。舞の舌はそれを追い求め、さらに長く伸ばそうとする。
二人の舌先の間で、二人の唾液が繋がる。

舞の身体の下側にいる彩が、舞を下から持ち上げる。舞の身体が楽々浮き上がる。
彩は、舞の身体を自分の横に降ろすと、その小さな身体に、自分の身体を上から被せていく。
舞に、彩の重さが圧し掛かっていく。

彩は、ベッドに両肘を付き、両方の掌で舞の胸のふくらみを優しく包む。
舞の乳首は、まだ、小さな蕾。
彩は、その乳首をじっと見下ろし、「舞ちゃん、可愛いよ」。
舞は、彩に見られていることが恥ずかしくなる。顔が火照る。

初めは、舞の右の乳房。彩は、その蕾を口に含む。
小さな蕾の根元に軽く歯を当て、その天辺を舌の先端を押し当て、チロチロと動かす。
蕾が充血してくる。そして、花が開くように隆起してくる。
舞の口から吐息が漏れる。両手が、無意識に彩の広い背中に伸ばされ、そこに爪を立てる。彩の背中に、赤く爪の跡が付く。だが、彩は痛そうな素振も見せない。
彩は、隆起してきた乳首を、軽く歯でしごく。乳首全体を口に含み、その根元を少し強く歯で噛む。痛みと快感が溶け合い、それが、全身を溶かすような快感を舞に与える。
彩が口を離す。隆起した乳首が唾液でびっしょり濡れ、その周りに彩の歯型が赤く残っている。

次は、舞の左の乳房。
同じように、その乳首に、刺激を与え、蕾を開かす。

彩は、舞の隆起し開いた乳首を見ながら、それを両手の指で玩び「ほら、舞ちゃん、乳首が立ってきたよ」と声をかける。
舞は、恥ずかしい。でも、その恥ずかしさも、舞を蕩けさせる。

舞は、我慢できなくなる。
「彩先輩、大好き!」と、彩の身体の下から、強引に自分の身体を抜く。
彩も、舞の意図は分かる。身体を仰向けにする。
彩の大きな身体の上に、舞の小さな身体が乗る。
そして、彩の大きな二つの乳房を、両手で掴む。
“なんて、柔らかく大きいの”
彩の開きかけている乳首を口に含み、彩がしたように、歯を当て、先端に舌を這わせる。
両方の乳首に、交互に唇を合わせていく。
彩の息遣いが荒くなる。

彩の乳首から唇を離し、舌先を伸ばして舌先を乳首に当て、そこから、高い山から降りていくように、同心円上に山頂から麓へ舌を這わせていく。這わせた唾液の跡が、ナメクジが通ったようにつながる。
舌先を、脇の下に入れる。彩がその手を広げ、脇の下が露になる。
乳房の麓、脇の下、二の腕の白い肌が、舞の前に広がる。
発達した筋肉が、柔肌で覆われている部分。
“彩先輩・・・!”、そこに、舌先を滑らす。舌先が、剃り残された部分でチクチクする。

舞は、舌先を彩の肌から離さないように、肌に滑らせながら、逆側の乳房に向かう。
その乳房の麓から、同心円状に山頂を目指す。
山頂にたどり着く。そこから、両方の乳房の谷間に滑り降りる。

谷間を通り、白い、平原、お腹に出る。
まだまだ、最終目的地は遠い。
舞の舌がしびれてくる。彩の身体の大きさを実感する。
そのしびれが、舞に被虐的な快感を与える。

“彩先輩が気持ち良ければ、舞はどんなことだってする”
舌先を、下腹部に向け、這わしていく。
へその窪みに突き当たる。その窪みの周りに何回も舌を這わせる。

彩の吐息が漏れる。
段々、目的地に近づいていく。舌先が、彩の茶色っぽい陰毛の繁みに入っていく。
その繁みの中央に向かう舌先に、陰毛が絡まってくる。

繁みの中央で、舞は、口を大きく開け、繁みを口に含む。
それを、ジャリジャリと、舌を絡ませながら、噛む。
口を離すと、陰毛は舞の唾液で濡れ細っている。

舞の口の中に、彩の陰毛が残っている。
それを飲み込もうとする。でも、喉に引っかかり、飲み込めない。
もう一度、唾と一緒に無理に飲み込もうとするが、喉の奥に貼り付いたまま。
“でも、これは彩先輩のあそこの毛・・・”
不快感が快感に変わる。

彩が上体をおこし、「舞ちゃん」と、呼びかける。
舞は、彩の下腹部に口をつけたまま、「うん?」と、彩の顔を見上げる。
彩が意味有り気に笑い、「フフッ、ち・い・さ・な・舞ちゃん」と、ウインクをする。

“え!、なに!?”
突然、彩の身体が大きく広がり始めた。
舞は驚く、“彩先輩が大きくなっていく?違う、ベッドも大きくなっている。舞が!舞がどんどん小さくなっている!?“
舞は、「彩先輩、助けて」と、遠ざかっていく彩の顔を見上げる。
でも、彩の目が、小さくなっている舞を見下ろしながら、とても楽しそうに笑っている。
“小さくなる舞いを、彩先輩が笑って見ている。彩先輩が、彩先輩が!舞を縮めているんだ!”

小さくなった舞の身体は、彩の股間にある。
身長は15センチもない。精々、12センチってところ。
両側に、太腿が白い壁を作っている。
周りは、その壁でも何も見えない。

小さくなったことが不安で、彩の顔が見ようとする。
見上げた視線の先には、恥丘の膨らみがあり、そこに生える陰毛越しに、彩の顔が見える。そして、その顔はきれいな歯を見せて笑っている。

“彩先輩が見てる。彩先輩のあそこの前にいる小さくなった舞を見ている”

視線を目の前の陰部に移す。
“彩先輩の、彩先輩の・・・”、目の前に、憧れの彩先輩の陰部が広がっている。

舞の胸が高鳴ってくる。

愛液で濡れ、ふっくらと充血している陰部。膣口のまわりの薄い小陰唇が、膣の蠕動に合わせヒクヒクと動いている。
舞は、その陰部に近づく。陰部全体を囲む、ふっくらとした大陰唇が、頭上高くまで伸びている。
そのまま、”ぐちょ”と、陰部に身体を接する。複雑な凹凸が体に密着する。
小陰唇に全身が包まれ、身体中がぬるぬるになる。

“ああ、彩先輩・・・・”

隆起し始めているクリトリスを下から見上げる。でも背伸びをしても、そこに口を付けるのは無理。
ちょうど、背が届く所には小陰唇に囲まれた尿道口が覗いている。
背伸びして、両手で両側の小陰唇を押し広げ、あらわになった尿道口に、口を押し付ける。
ちょっと奥まれば、尿道は狭くなる。顔を潜り込ませるように押し付け、その狭くなる部分に舌をできるだけ伸ばしていく。舌先に痺れるようなしょっぱさを感じる。

尿道を小さな舌がチロチロと舐めていく。
その感触が、彩には気持ちが良い。

さらに刺激を求める彩は、手を股間にいる小さな舞に伸ばす。
指で、舞の頭を後ろから押し付ける。
舞の顔は、尿道口を塞ぐように密着される。

苦しい!
でも、舞は、彩先輩の快楽のための道具。その思いで、頭の中が溶けてくる。
“そうよ。舞は、彩先輩のおもちゃなの”

彩が、顔を、股間にいる小さな舞に近づける。
そして、声をかける「舞ちゃん・・・、飲んで」。

舞は、顔に暖かい水圧を感じる。
彩は、ほんの数滴の量を出しただけ。でも、小さな舞にとっては、とてもたくさんの量。

舞の顔は尿道口に押し付けられ、そこをピッタリと塞いでいる。
だから、外へは漏れ出さない。でも、舞が飲み込まなければ、いつまでも減ることはない。

憧れの彩先輩の身体から出たもの。
全て飲み干したい。

顔を圧迫する水圧がさらに高まっている。
彩が、さらに尿道に送り込んだみたいだった。
顔全体が水圧で押し潰されそうになる。そして、閉じている口をこじ開けるかのように、液体が浸入し始める。
舞は、その水圧に恐怖を感じながらも、口を開ける。
液体は、一気に口の中を駆け抜け、その喉を押し広げながら、舞の身体の中に入っていく。

水圧の中で咽る。
胃を簡単に満たした液体は、食道から気管に逆流する。
舞は、苦しく、手足をばたばたさせる。もう、これ以上、身体に何も入らないと思った。

尿道に感じる舞の動きで、彩は、舞の限界を感じる。
「舞ちゃん、もうだめなの?」と、舞の頭から指を離す。
尿道に残っていたものが噴出し、舞の顔が押し出される。
残っていたものが迸り、舞の全身をビッショリにする。

舞は、咳き込む。暫く息ができない。
目が痛い。涙が目に入ったものを流し尽くすまで、目も開けられない。

彩が上体をさらに乗り出す。
彩の身体全体が、前のめりになる。
腰の位置が変わり、クリトリスの位置が下に下がる。
股間の前にしりもちを付いて、咳き込んでいる舞を、彩は指で挟んで無理に立たせる。

脇の下を持ち上げられた舞は、ふらふらになりながらも、両足を踏ん張って立つ。そして、痛む目を、そっと開けた。
その目の前には、充血し隆起している大きなクリトリスがあった。

舞は、咳き込みながら、彩を見上げる。舞の上空全てが、彩の身体で覆われている。
大きくてきれいな顔が、舞を見下ろしている。
その彩の口が動く「舞ちゃん、そこを舐めて」。

舞は、彩を見上げながら、大きく頷く。
おもちゃに選択肢はない。言われたことをできるだけうまくやるのが務め。
まだ、息が苦しい。深呼吸をして、息を整える。

舞は、陰唇に繋がるクリトリスの根元に手の平を添える。
目の前のクリトリスは、ピンク色に肌が露出している部分と、陰唇に繋がる包皮されている部分がある。クリトリス全体は、とても大きい。到底、舞の口には収まりきらない。

舞は、そのピンク色の敏感な部分に、唇を付ける。
せめて、その先端部分だけでも、口に中にいれたくなる。
唇を大きく開け、歯を敏感な肌に当てないように、唇で歯を覆って、そのピンク色の部分を口の中に入れていく。
“無理?”
舞の小さな口では、それを全て唇で覆うことはできない。

舞は、先端部分に口を付けたまま、両手を下に伸ばして膣の入り口のぐっしょりと濡れている部分を触る。手がぬるぬるになる。
その手でクリトリス全体にぬめりを広げる。
何回も同じ動作をし、舞にとっては大きすぎるクリトリスが、濡れて、妖しい光沢を帯びるようになる。

クリトリス先端のピンク色の部分に舌を絡める。
舌全体を、その部分に押し付け、舌の先端側で、その周りをなぞっていく。
両手は、ぬるぬるになったクリトリス全体を、その根元にかけて強く擦っていく。

彩には、クリトリスの先端で微かに動きまわる舌の感触が気持ち良い。
思わず、声がでてしまう。

さらに、クリトリス全体が、舞を押すように隆起してくる。
“彩先輩が感じている”
舞には、それが嬉しい。
そして、もっと大きく口を開け、熱心に舌を絡ませていく。

舞が作り出す快楽が、彩の体の中を走っている。
でも、快楽はより強い快楽を求めるようになる。

舞の小さな身体に、彩の右手が忍び寄る。
舞が口を付けているクリトリスの根元を、人差し指と薬指で挟み、それを恥骨に押し付ける。クリトリスの包皮が張り、ピンク色の露出部分が大きく広がる。
間にある彩の中指が、舞の頭上で浮かんでいる。

舞は、いきなり、彩の大きな指が、口づけをするクリトリスの根元を挟んだことに驚いた。
クリトリスを擦る自分の手が、その指に挟まれそうだったので、慌てて、その手をどけた。

舞は口づけを続けながら、クリトリスを挟む大きくて白いきれいな指をうっとりと見る。
爪が光沢のあるピンク色のマニキュアできれいに塗られている。
“彩先輩の・・・大きな指・・・・きれい・・・”
舞は手を伸ばし、その指に触れる。

「え!」
舞は、後頭部をいきなり強く押された。
舞の頭上に浮かんでいた中指が、舞の頭をクリトリスに押し付けたのだ。
その指が舞の頭を押し付けながらローリングをする。舞の顔は固い弾力を持っているクリトリスにぐりぐりと押し付けられ、鼻から口が拉げ、その圧力の中で翻弄されていく。

彩が、快感をさらに求める。
舞の頭をクリトリスに押し付けたまま、上体を傾けていき、仰向けになる。
彩の腰位置が変わり、舞の足がベッドのシーツから離れてしまう。
舞は、彩の股間で、宙吊りになる。

彩は、大きな身体全体で伸びをするように、全身の筋肉を緊張させる。
舞は苦しい。手が掴まるものを求めて、宙をさまよう。
頭がぐりぐりと、クリトリスに押し付けられる。
舞の手が、クリトリスを挟む彩の指に掛かる。必死にその指につかまる。

彩はもういきそう。
でも、まだ、刺激が欲しい。

舞の頭を押さえつけている指を離す。
舞は、股間に沿って落下し、ベッドに腰を打つ。痛みで呆然とする。
その舞の目前に、彩の手が伸びる。
彩は、仰向けのまま、股間にいる小さな舞を手探りで探している。

身体の痛みで、舞に恐怖心が生まれる。
「ひぃ!」と声を出し、尻を着けたまま、その大きな手から後ずさる。
でも、目の前の手は、憧れの彩先輩のもの。
“逃げちゃだめ、彩先輩の手でしょ。舞は彩先輩の壊れても良いおもちゃなの”と、自分自身に言い聞かせ、その大きな手に身体を寄せる。

彩は、指先に舞の身体が触れたこと分かる。
その身体を手の平に乗せ、持ち上げる。
舞の身体が、上昇する。眼下に彩の陰毛が見える。
彩の手が水平に動く。
舞の目に、彩の形良いへそが見える。大きく盛り上がった胸が見える。
そして、彩の口元に、たどり着く。

彩が顔を上げて、手の平に乗る舞の身体を、長い舌で舐め回す。
舞の胸、お腹、背中、両足に舌を這わす。お尻の割れ目、股間に舌先を捻じ込んでいく。
そして、ハスキーな声で、小さな舞に声を掛ける。
「舞ちゃん、気持ち良かったわ。でも、もう少しだからね」
舞はその言葉で嬉しくなる。さきほど、逃げようとしたことが恥ずかしくなる。

彩が掌で、舞をそっと包む。掌から、舞の胸から上が出ている。
彩が、その部分を口に含む。
舞の上半身全てに舌を絡める。
舞の身体を口から出し、たっぷりと唾液を付けた、その小さな身体を股間に運ぶ。

舞は、顔をぬらす彩の唾液を拭う。目の前には、ふっくらとした膣の入り口が、透明な涎を垂らしながら待ち構えている。
彩は、グニュと、舞の身体をその中に挿入する。舞の下半身は、膣の外側で、足をばたつかせる。その足を掴んで、そのまま舞の身体全体を奥まで挿入する。

膣の中にぐぐっと入ってくる感触、そして、膣の中が満たされていく感覚が、彩に快感を与える。
彩は、右手の中指に、膣の入り口のぬめりを付けると、その指でクリトリスを擦り始める。

膣の中で、舞が身体を動かす。
舞の顔の周りに、挿入された時にできた空気溜まりがある。
その少ない空気を吸いながら、まわりの波打っている壁を両手で擦る。
さらに、その壁に、自分の乳房や、腰を押し付ける。
“彩先輩、もっと感じて!”
彩が快感を得られるように、自分の身体を、膣の中で、悶えるように大きく動かす。

彩の身体全体が伸びる。足のつま先が、快楽を求めて、ぴんと張ってくる。
膣の中で、小さな身体が蠢く感触が、強い快感を呼ぶ。
クリトリスを玩ぶ指の動きが早くなる。
膣が舞の身体を締め付け始める。

膣の波打つ壁が、小さな舞をぬるぬるの中で押し潰していく。
身体は密着され、既に空気溜まりはなくなっている。
空気を求めて開いた口の中が、ねちょっとしたもので満たされる。
苦しい。意識が朦朧としていく。
“舞はおもちゃ。彩先輩が壊そうとしているおもちゃなの!”

彩は、膣から得られる快感がどんどん高まってくる。
舞の身体を押し潰そうとしている、膣の感触が快感を深める。

彩が押し殺した声を出す。
快感のあまり、足と、首で、ブリッジをし、背中をベッドから浮き上げらせる。

彩は、空いている左手の中指を、膣に挿入する。
その指が、膣の中で閉じられている舞の足の間に入る。
さらに指先を、グッグッと、奥に侵入させる。

舞の両足の足先から、足を押し広げながら、太いものが無理に入ってくる。
そして、舞の股間に達し、それが、股間を翻弄する。

彩の膣に挿入した指先が、ギュッと締め付けられる。とても、強い力。
舞がそれに苦しんでいると思うと、より、快感が高まってくる。
彩の身体全体の筋肉がより強く緊張する。
足先がより真直ぐに伸ばされ、指先が反る。
ブリッジをしている背中が、より上に持ち上がっていく。
そして、言葉にならない大きな声をあげる。

舞は自分の股間にある太いものが、彩の指先だと気付く。
舞は、身体を押し潰す膣の強い圧力の中で、両手で大きな爪を掴み、必死に大きな指に足を絡め、自分の股間をその指先に擦りつける。
意識が薄れる中で、その快感に悶え苦しむ。

彩は、指先に舞を纏わり付けて、その指で、自分の膣の中をかき回していく。

彩の快感が駆け上っていき、遥かな高みで快感が飛び散っていく。
舞の快感が渦に引き込まれ、渦の中心で快感が一気に吸込まれる。

彩が大きなため息をついて、身体全体の力を抜く。
舞も、膣の中で、彩の指先に股間を押し付けながら、朦朧とした状態で果てている。

そうして、舞のオナニーは終わる。
彩のことを思いながら得られた快感の余韻が続く。

ただ、その後、決まって、「彩先輩、彩先輩、舞は彩先輩に会いたい・・・・」と、涙が流れてしまう。


電車の中では、まだ、酔っ払いの中年が鼾をかいている。
舞は、自分のオナニーシーンまで思い出し、頬が火照っていた。
そして、小声でいつもの独り言を言う。
「彩先輩。会いたい・・・」

彩から、メールが来ていないか、また、虚しくケータイを見る。
電車のアナウンスが、舞が降りる駅名を告げる。

最終電車。
既に、12時を回っている。
家に電話をすれば、お父さんか、お兄ちゃんが車で迎えに来てくれる。
今日は、はじめて行った短大の友達の家で、つい、お喋りが過ぎた。
さらに、思ったよりも、乗り換えが多く、その待ち時間も多かったので、どんどん遅くなってしまった。

家族に頼むのは悪い気持ちがした。
自宅まで、一キロしかない。歩いていこうと思った。

短大に入って伸ばし始めた髪は、ようやく肩を超えた。
歩くと、風に靡くことが感じられ、気持ちが良かった。

ただ、自宅と同じ方向に歩く人がいなかった。それが不安だった。



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