《 カンガルーの旅 》 (後編)

----------------------------------


 巨大女が出現!!

 その報告を聞いたカンガルーは戦いを決意した。

 そう、地球最強の存在と称される巨大女と戦うことができるのなら、
自分の未来を見つけることができるのではないか?

 今こそ苦しい特訓の成果を見せる時だ。

 戦いの決意を告げる。 ボクシング山田師匠も最初は止めた。
「巨大女を倒すなど、いくらなんでも無理だ」 師匠はそう言った。
 しかし、最後には、カンガルーの強い意志を理解してくれた。

 山田師匠に借りたマウンテンバイク!



 カンガルーは駆ける。

 戦いこそ我が人生! 待っていろ、巨大女、今、俺がやっつけてやる。

 さぁ、この丘を越えれば、町だ。


 
おぉ、あれが巨大女だ!!




 
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴオオオオオンン!!






 うひょー、あんなのには勝てませんわ。

 カンガルーは戦わずして降参した。




 そう・・・この世の中には、いかに努力しても、到達できない至高の境地が存在するのだ。

 しかし、カンガルーはまだ闘志まで失っていなかった。

 ゆっくりと立ち上がる。 遠い空を見上げる。

 カンガルーは姿を消した。 行方を知っている者は誰もいない。


@@@@@


 3年の月日が流れた。

 湖面を走る不思議なカンガルーの姿が、その地を訪れた観光客に目撃されている。





 水面で足が沈む前にジャンプして、さらに前に進む。・・・伝説の忍者走り。
この技を体得するまでに、いったい、どれだけの努力があったのだろうか?

 そう、あのカンガルーは生きていたのだ。

 そして、このままでは終わらない。 厳しい修行の日は今日も続く。

 強くなりたいと願ったのだから。 再び羽ばたく。 誰よりも高く、空へと。

 いつか、またカンガルーの戦いを語る日が来るだろう。



(カンガルーの旅 終わり)




目次に行く ←戻る めくる→