《 釣り師・ゾルバの思い出 》

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 よっこらしょ、と。 さぁ、わしの可愛いペリカン達よ、

 今日は大きな魚をいっぱい釣って、たらふく食わせてやるからな。

 しばらくそこで、待っておれ。



 しかしなー、魚が釣れるまで少し時間があるじゃろう。

 退屈だから、わしの思い出話でも聞かせてやろうかい。

 わしは小さいころから釣りが好きでのー。
いや、ただ好きだった訳ではない、釣りの才能もあったのだな。
釣り道具無しで大物を捕らえたコトもあるんだぞ。



 いやー、あの時は天才釣り少年と、有名になったもんじゃ。




 そして、ただ才能があっただけではない!
とても勇敢な釣り師でもあったのだ。

 あの恐ろしい
怪獣ヘモドトラの住む海で釣りをしたことがあるんじゃぞ。



 いかにわしが勇敢であったかが分かるじゃろう。

 まぁ、怪獣の奴は、わしが恐ろしいのか姿を現さなかったがのう。

 ・・・・・・。

 そう言えば、あの時、釣り仲間のバートンが急にいなくなったな。
どこに行ったんじゃろうな・・・、家にも帰っていなかったし・・・。



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 しかし、なんと言っても、わしの素晴らしい冒険は、
あの
巨大人魚さんと出会った時のコトじゃ。



 驚くことに、彼女は身長20mもあったんじゃ!
いや、彼女の
巨大ボディには、さすがのわしも度肝を抜かれたわい。

 そうじゃな、わしの可愛いペリカン達よ、

 魚が釣れるまで、まだ時間がありそうだから、 今日は特別に、
わしが
巨大な人魚さんと出会った日の話を聞かせてやろう。

 まぁ明日の夕刻までには、話が終わるじゃろうて。

 これはめったに聞かせぬ話ゆえ、心して聞いてくれい。



ペリカンA 「おっちゃーん、エサ、マダー」

ペリカンB 「ハラ、ヘッター シヌゥー」

 こら、お前ら、人の話を聞いとらんな。

 あー待っておれ、今、魚をいっぱい釣って、たらふく食わせてやるから。


 (おわり)





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