《 野獣になりたかった猫 》 

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 猫は絵を見ていた。そこには虎が描かれていた。
自分で獲物を狩る誇り高き野獣。

 猫はじっと、その絵を見つめていた。



 猫の名前はナーゴ。

 「なーご・なーご」と鳴いているように聞こえるので、
ご主人様がつけてくれた大切な名前だ。



 ナーゴは人の家で暮らしていた。
優しいご主人様は、いつも美味しい食事を与えてくれた。

 ナーゴは幸せだった。
しかし心の何処かで自由になりたいと願っていた。
ナーゴは虎のような狩人(ハンター)になりたかったのだ。

 ナーゴは海岸に来ていた。
大好きなお魚さんを自分で捕まえるつもりだった。
しかし、何というコトだ。ナーゴは海を泳げなかった。

 魚が獲れないのなら、鳥を狙う!
そう、ナーゴは狩人なのだ。



 しかし、何というコトだ、鳥は飛んで逃げてしまった。

 そのうち夕暮れになった。もちろん獲物はない。

 ナーゴは思いにふける。



 家に帰るしかなかった。

 夕食はポテトサラダだった。



 趣味の
巨大女映画を見ながら、美味しいポテトサラダを食べる。

 ナーゴの夜は、今日も幸せだった。

 だが、ナーゴは諦めていなかった。
明日こそ、きっと自分で獲物を狩ろう。虎のような野獣になるのだ。

 明るい未来を信じている。



 おやすみなさい、今夜もきっと、いい夢が見れるだろう。



(野獣になりたかった猫 終わり)


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