《 ネコの気ままな ひとり旅 》 ニャン太郎冬の旅編
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 やあ、みんな元気かい。
 旅猫(たびねこ)のニャン太郎だよ。
 正月だけど、僕は旅に出るんだよ。

 いつものように外に出る。うぅ、雪が積もっているよ、さすがに寒いな。
しかし、やめる訳にはいかないよ、そう、旅はボクの人生なのさ。
 足のむくまま気のむくまま、今日は何処へ行こうかな。
 え、何だって、「猫は雪道を歩けないだろ」 って言うのかい?
はっ、はっ、はっ、ボクたち旅猫を舐めてもらっちゃ困るよ。
 今日は、みんなに「冬ネコの歩き方」を教えてあげる。
 ボクの足に注目してほしい、ほら、地面を見てごらん、
雪の積もっている所とそうでない場所があるんだよ。
 僕たちは「雪のない場所」に足を置いて歩くんだよ。
 これを見ても、ネコ族がいかに優秀な存在か分かるだろう。

 はいはい、みんなが何を言いたいか、よ〜く分かっているよ。
「そう都合よく、雪のない場所はないだろ」 って言いたいんだね。
 もちろん、そんなコトは百も承知さ。
 完全な雪道は、浜口サンじゃないけど、「気合だー!!」 って突っ走る。
この場合、毛を膨らませて体を保温するのがコツなんだよ。

 気合だー、雪の中へ飛び込むぞーーー!!
 あ・・・ぬぼった・・・。 雪の中で・・・動けにゃい。

 あ、アカン、ちょっと、まずい、 あ、ゆ、ユキ、雪、寒い。
 ちょ、ちょ、ちょっと、寒、さむ、さぶうう、マジで死ぬ。
 さ、寒い〜、冬、寒い==!!
 うにゃー、誰かはやく助けるにゃーーーあ!
 あぁ、意識が遠くなって・・・ゆ・・・くぅ・・・。
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 うにゃにゃ、ヒドイ目に遭った。
 ストーブ、暖かい〜〜。

 運がよかったよ。 たまたま通りかかった男の人が僕を見つけてくれた。
雪の中から助け出してくれたんだ。
 これも旅猫の宿命、ひとり旅は楽しいけど同時に危険でもあるんだ。
何とか気力を振り絞り、今は家に帰れたよ。
 あ〜、マジで死ぬかと思ったわ。
猫のくせに、冬に外をうろうろするんじゃないわ。 わはははにゃ、
やっぱ、冬は家でこたつかストーブです。
 つまり何だ・・・、何が言いたいかって言うと、
旅ネコだって言っても、あんまり無理をしちゃダメなんだよ。
 みんなもあまり無理をしないでね〜。
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 あぁ、これは、これは、ご主人サマ。
 いつもながら大きくて、美しい。

 え、「ニャン太郎、心配したわよ」 ですって、
 ごめんなさいね〜、旅ネコだから僕は旅をするんです。
 え、「ニャン太郎、いっしょに寝よ」 ですって、嬉しいなぁ、
ご主人様は、猫のボクから見たら、何倍もの巨人に見えるんだよね。
 それじゃ、冬は寒いので家にいます。大きなご主人様と寝ます。
でも、春になったら、また旅にでます。
 それじゃ、みんな元気でね〜。
(ニャン太郎冬の旅 終わり)