巨大美少女ミカ (18)

           (不運な泥棒 改題)

                           NEW2さん みどうれい作

第二部 不運な船員さん達(その3)

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 宗賀隙夫は、巨人のポーチの中で、恐怖に震えていた。


 隙夫は、ここに閉じ込められ、巨人の手に握り締められた。
布製のポーチの中は、かすかに光が入り込んでいるのだろう、物を見ることはできた。

 その後、ミカが歩いたので、隙夫は世界一速いジェットコースターに乗っているような
スピードで振り回され、目を回した。

 隙夫はなすすべもなく、悲鳴を上げていたが、突然、巨人の手の圧力から解放された。
彼はポーチごと、地面の上に降ろされたようだった。

 隙夫は、しばらく荒い息をしていたが、やがてポーチの金属製のチャックに目をやった。
「どぉわぁあありゃあああーーー!!!」

 やけくそになった隙夫は、意味不明の声を上げて、チャックを掴みそれを開こうとした。
チャックは内側から開きにくい構造になっていたが、隙夫は諦めずに、渾身の力を込めた。
最初、それは、びくともしなかったが、突然、すっと動いた。

 このポーチは、普段、巨人が外出する時に、化粧用の小物か何かを、入れるのに使用
しているらしく、こびとを完全に閉じ込められるようには、作られていないようだった。

「あれ!?」 彼を閉じ込めるポーチの入り口が、あっさりと開いたので、隙夫は驚いた。


 隙夫は、おそるおそる、外をのぞき見た。 地面に、大きな岩の塊が転がっている。 
巨人は、彼を閉じ込めたポーチを、地面の上に置いたまま、岩壁に穴を掘っていた。
彼女は、背中を向けている。 逃げるのなら、今かもしれない。

 しかし、少し落ち着いた隙夫は、さっきのことを思い出していた。
先ほど、第二こびと丸の全員は、巨人のお腹の上に捕らえられた。
しかし、彼女は、彼らを解放して「追いかけっこ」をすると、宣言した。

 何のために、そんなことをするのか・・・?
彼女は、ただ遊びたいだけなのではないのだろうか。

 隙夫には、うまく説明できなかったが、巨人にとって、お腹の上の無力なこびとを、
ただいたぶるより、彼らと追いかけっこをして、ゆっくり遊び、ゲームに負けた相手に
「お仕置き」をする方が、楽しかったのだろう。

 ならば、今、うかつな行動をするのは、危険かもしれない。
捕まえたこびとを、わざわざ、開きやすいポーチの中に閉じ込め、地面に置き、
背中を向けているなど、どう考えても、これは罠だ。

 巨人の行動パターンを推測するなら、おそらく彼女は、隙夫がここから逃げ出したら、
また捕まえて、それを口実に、彼をヒドイめにあわせようと考えているのだろう。

 まったく「とんでもない性格」の女巨人だ。
なんで、こんな巨人がいる島に、流れ着いてしまったのだ。
自分の不運に、隙夫はぼやいたが、どうにもならなかった。

 しかし、隙夫は、このままじっとしているわけにはいかなかった。
巨人は、さっき「何人か捕まえたら、あなたといっしょに食べてあげる」とか言っていた。

 ならば逃げて捕まっても、「これ以上、状況は悪くならない」と言えるだろう。

 隙夫は、ポーチから顔を出した。 巨人は、岩壁の方に、彼女の体を寄りかからせていた。
もしかしたら、誰かが、捕まったのかもしれない。
しかし、隙夫には、どうすることもできなかった。

 隙夫は、腹をくくった。 とにかく彼女から逃げよう。 今はそれしかない。

 その時、隙夫の足に何かが当たった。 ふと見ると、それは彼のだった。
隙夫は驚いた。 確かこの靴は、さっき彼女に捕まった時、服といっしょに脱がされて、
地面にうち捨てられた筈だったのだが・・・?
 それが、何故、このポーチの中に置いてあるのか?

 どうでもいいことだった。 森を走って逃げるのに、靴は必要だ。
隙夫は、手早く靴を履いた。



「うおおおおお!!!!」 隙夫は、大声を上げて、ポーチの中から飛び出した。
 もうこうなったら、やけくそだ。 たとえ、これが「巨人の絶対に勝つゲーム」だった
としても、彼は、されるがままになるつもりはなかった。

 隙夫は、再び、森の中に逃げ込んだ。


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 隙夫が逃げ出したことに、ミカはすぐに気がついた。
彼女の鋭敏な「超感覚」は、わずかな動きさえ、見逃すことはない。

「あらあら、こびとさん、私は、あなたに、そこでおとなしく待っていなさいって、
言ったはずよ。 わたしの言うことは、きいた方がいいわよ。」
 後で、ひどい目にあわせちゃおうかなー とか、ミカは言っていた。

 しかし、隙夫は、その声を完全に無視して、森の中に走り去った。
彼女は「5〜6人集めてから、あなたを食べてあげる」とか言っていたのだ。

 これ以上、どう、ひどい目にあわせるというのだ?
もはや、何を言われたところで、隙夫は、止まるつもりなどなかった。

 追いかけようかとミカは考えたが、彼女は、あっさりやめにした。

 わざわざチャックの口を緩めて、隙夫が逃げやすくしておいたのは、ミカなのだ。
そして、彼を裸足で走らせるのも可哀想なので、彼女の力で靴も拾ってきてあげたのだ。

 理由は、もちろん「ゲーム」を盛り上げるためだ。

 このゲームの面白いところ(醍醐味)は、いかにして、非力なこびとさん達をなぶり、
じわじわと追いつめ、たっぷり楽しんでから、捕らえるかということなのだ。

 超感覚を持つミカは、現在、島中のこびとの位置を、正確に把握している。
先ほどミカが船を砂浜の上に引き寄せたように、 彼女が、その気になれば、
こびと達のいるところに力を送り、全員を彼女の前に、呼び寄せることも可能だ。

 そうなったら、もう誰も抵抗できない。 その後は、ミカの思うがままだ。
しかし、それではゲームとして、面白くも何ともない。


 あのこびとさんには、もう一度、慈悲をかけてあげよう。 ミカはそう考えた。
一度囚われ、逃げ出したこびとを、また捕まえるのは、楽しいだろう。
彼は、きっと、今まで以上の恐怖と絶望の悲鳴を上げるに違いない。

 ミカは、くすくす笑った。

 それから彼女は、再び、崖の岩に乗っている「もう一人のこびと」に、目を向けた。
今は、こっちのこびとさんと遊ぶ方が、面白そうだ。

 譲治は、必死になって、岩壁の崖をよじ登ろうとしていた。

 すぐ彼の後ろに、巨大な乳房が迫っている。 彼は悲鳴を上げていた。
つんと上を向いた乳首、 ぷるんぷるん揺れている、白い肌の丸い大きな乳肉。

 普通の大きさなら、ミカの乳房は、どんな男でも生唾を飲み込んで、
触ってみたいと願う、すばらしく魅力的な「胸のふくらみ」だった。

 しかし、彼女の乳房は、あまりにも大きすぎた。 譲治を脅かす巨大な乳肉は、
長い年月の風雨の浸食にも耐えた「頑強な岩山」さえも、簡単に粉砕できるのだ。

 この巨胸の前には、譲治の非力な肉体では、とても抵抗できはしない。


 「山のような巨乳」が迫ってきた時、譲治は、必死に逃げられる場所を探した。
しかし、下は目もくらむ断崖、足場がないので、横にも逃げられない。

 追いつめられた彼は、ついにわずかな岩の出っ張りに足をかけ、岩壁を登りだした。
そんなことをしても、巨人から逃げられはしないと分かってはいたが、
このままここにいても、間違いなく、岩と胸の間で、潰されるだけだ。

 今は、とにかく巨人の胸肉のとどかない位置にまで、逃げたかった。
譲治は、わずかな岩の出っ張りに力をこめ、体を支え、そこを登り始めた。 

「あらあら、あなたは岩に登るのが好きなのかしら?」 巨人の楽しそうな声が響く。

 譲治は、全身の力を振り絞ったが、ほとんど垂直の岩壁をそうそう登れはしない。
落ちないように、岩に、へばりついているのが関の山だ。

 ミカは、楽しそうに、しばらく彼の必死の努力を見つめていたが、
やがて、彼女の胸の下に手をやり、それを持ち上げ、勃起した乳首を譲治の方に向けた。 

「ふふふ、私の胸で殺してあげるわ。」
 巨人の大きな乳首が、ゆっくりと、譲治の裸の背中に迫った。


「ぎょえーーーー!!!!」
 ミカの乳房が近づいてく来るのを感じた譲治は、恐怖の悲鳴を上げた。


 ミカは、彼女の乳首で、岩壁にしがみ付いている譲治の背中をつんつん突付いた。
彼女は、ほとんど力など入れてはいないつもりだったが、わずかな岩の出っ張りの上で、
体を支えている譲治にとって、充分すぎる衝撃だった。

「どっしぇえーーーー!!!!」
 バランスを崩した譲治は、ひとたまりもなく、崖から転げ落ちた。

 落ちる瞬間、彼は、彼の後ろに迫る巨人の乳首に掴まろうと、背中に手を回したが、
もちろん、そんな器用なことができる筈もなく、彼の体は自由落下を始めた。

「死ぬううううう!!!」
 譲治の脳裏に、走馬灯のように、彼の人生の思い出の瞬間の映像が走った。

 彼は、固い地面に叩きつけられ、自分の体が砕け散ると、確信した。
しかし、彼の体は、何か柔らかいものの上で、バウンドした。

 ミカが、素早く手を伸ばし、彼女のお腹の前あたりで、彼を受け止めたのだ。
ミカは譲治が落ちると分かっていたので、胸の下に手をやり、彼を助ける準備をしていた。
そのまま、彼は巨人の顔の前まで持ち上げられた。大きな顔が、彼を覗き込んでいた。

「あらあら、危ないわよ、こびとさん。 岩を登るときは、もう少し注意した方がいいわ。」
 ミカは、くすくす笑いながら、勝手なことを言う。

「何言ってやがる、バカヤロー! お前のせいで落ちたんじゃねーか!」
 久太郎がいれば、そうつっこみをいれただろうが、あいにく彼はここにはいなかった。


「はぁ、はぁ、ぜい、ぜい・・・。」
 巨人の手のひらの上に乗せられた譲治は、もう放心状態だった。

 それから、ミカは、譲治を指で摘んで、今度は彼女の胸の上に置いた。
譲治の顔は、巨人の盛り上った乳房の柔らかい肌に、押し付けられた。

「わ、わ、わわわ!」 ミカの胸のふくらみの上に、へばりつかされた譲治は慌てた。

 そこは、気球のように丸く、すべすべで、掴まるところなどなかった。
彼を捕まえていた太い二本の指は、彼を放し、天空に上がっていった。

「落ちるー!!!」 彼は悲鳴を上げたが、巨人はくすくす笑うだけだった。

 そのまま、ずるずると譲治はすべったが、すぐに、ミカの乳首に跨る格好で止まった。
ずり落ちまいと、譲治は、両足の太ももで巨人の乳首を、ぎゅっと挟んだ。

 譲治は、必死でバランスを取ろうとしていた。
彼は、大きく手を広げ、ミカ乳房の山にへばりつき、乳首に跨っているのだ。

 もし、今、彼女が、ちょっと前にかがんだだけで、彼は地面に落とされてしまうだろう。
巨人の肌は温かく、とても柔らかかった。 心臓の音が、ドクンドクンと響いていた。

 こんな状況にも関わらず、彼女の肌に触れるのは、とても心地よかった。
彼女の身体は、とても良い香りがした。
譲治は、巨人の肌の甘い感触に酔いながらも、どうしようもない恐怖に怯えていた。

「どうすればいいんだ・・・」 譲治は必死に考えた。
 しかし、小さな彼にできることはなかった。
 今、彼の命はミカのものだった。

 巨人の胸はあまりにも大きすぎたので、とても彼に抱えることはできない。
結果として、彼は太ももで踏ん張って、落ちないよう、ミカの乳首を強く締め上げた。

あ、あん。 いいわぁ。」 ミカは、喜びの声を上げた。
 非力なこびとが、彼女の乳首の上に跨り、恐怖に怯えている。

 それは、素晴らしく心地よい感触だった。
しばらくの間、彼女は、乳首の上のこびとの動きを楽しんでいた。 


「ふふふ、さぁ、そろそろゲームを、終わりにしましょう。」
 ミカは、譲治を落とさないよう気をつけながら、ゆっくりと岩壁の方に体を動かした。

「うわああああ!!!」 譲治は、悲鳴を上げた。
 そこは、さっきミカが、胸を押し付けて、岩をめり込ませたところだった。

 彼女の乳房の形に、岩が丸くめり込んでいた。
譲治を乗せた乳房の山は、ゆっくり、ゆっくりと、そこへ近づいていく。

 譲治の体は、岩よりも、ずっと柔らかい。
彼女の乳房が岩に触れた瞬間、彼の体は、炸裂するだろう。
「助けてくれーー!! (T_T)」 譲治は、恐怖の悲鳴を上げた。


「あらあら、何を喚いているの? こびとさん。 
私は、あなたを、私の胸で潰してあげるって、約束したじゃない。」

 譲治は、やけになって、巨人の胸を叩こうとしたが、
落ちそうな自分の体を支えるのが、精一杯で、ほとんど動けない。

 それに、たとえ、彼がミカの巨大な胸を、全力で叩いたところで、
硬い岩さえも炸裂させる彼女の肌は、痛くも、なんともないだろう。

 譲治は、硬く冷たい岩が、背中にあたるのを感じた。

「さようなら。 こ・び・と・さ・ん」 巨人の声が響いた。


 譲治は、固い岩と、巨人の柔らかい肉の山の間に挟まれた。

「やめろーーーー!!!」 声の限りに、彼は叫んだ。

 しかし、圧力は、少しずつ増えていく。 すぐに彼は、全く動けなくなった。
彼の肉体が潰されるのに、そう時間はかからないだろう。
 どうすることもできない。 彼は、必死になって、巨人に「やめてくれ!」と叫んだ。

 ミカは、岩壁に押し付けた胸に囚われて、悲鳴を上げるこびとの動きを楽しんでいた。
簡単に潰してしまっては、面白くない。 ゆっくり、ゆっくりと遊ばなくては・・・。
彼女は、こびとに力を加えすぎないように気をつけながら、巨胸を動かした。

 譲治のくぐもったような悲鳴が、ミカの胸に響く。

「こびとさん、あなたは、そこから逃げたいのかしら? ふふふふ、
でも、ダメよ。 あなたは、さっき、この私に穴掘りまでさせたんじゃない。
私は、あなたに、慈悲をかけてあげるつもりはないのよ。」
 ミカは、こびとをいたぶる快感を楽しみながら、微笑んだ。

 だが、その時、ミカは、彼に「特に念入りにお仕置きをする」と
自分が言ったことを、思い出した。

 「念入りにお仕置きをする」とは、どんなことを言うのだろうか?
ただ胸で潰してしまうだけでは、あまりに、あっけないと言えるかもしれない。
 約束をしたのだから、彼とは「もっと念入り」に、遊ばなければならない。

 ミカは、岩壁から胸を離した。 譲治は、すぐにそこから転がり落ちた。
だが、ミカは再び手を伸ばし、彼を受け止めた。

 圧死寸前までいっていた譲治は、息も絶え絶えだった。

 ミカは、楽しそうに、しばらく彼を見つめていたが、何を思ったのか、背伸びをして、
もう一方の手を岩壁に伸ばし、人差し指と中指で岩を削りだした。
彼女の指は強く、硬い岩も、まるで「砂の固まり」か何かのように簡単に崩れた。

 それから、ミカは、譲治を、彼女のお腹の位置あたりの崖の岩の出っ張りに置いた。
譲治は、へろへろで、そこにへたりこんだ。
それからミカは、地面に落ちていた譲治の靴を拾って、岩山の彼の横に置いた。

 ミカは、彼に話しかけた。
「こびとさん、私は気が変わったわ。 あなたを潰すのは、もう少し後にしてあげる。 
あなたは、疲れてるみたいね。 しばらくそこで休んでいなさい。
私は、今から、逃げ出した悪いこびとさんを、捕まえに行ってくるわ。
 もちろん、あなたのことを忘れたりしないわ。
私は、すぐに、ここに帰ってくるつもりよ。
それから、また遊んであげるわ、だから、あなたはそこで待っていなさい。」

 ミカは岩壁に背を向け、地面に落ちていた彼女のビキニのブラジャーを拾うと、
それを身に着けて、地響きを上げ歩き出した。

 こびとさんは、あまりにも小さくて、弱すぎるのだ。
少しくらい、ハンデをあげてもいいだろう。

 ミカが譲治を置いた崖の位置は高く、とても飛び降りることはできないだろう。
しかし彼女が指で岩を削っておいたので、彼は、そこを足場に崖をよじ登ることはできる。
運がよかったら、彼はミカが帰ってくるまでに、崖を登りきることができるかもしれない。

「ふふふふ、こびとさん、頑張って逃げてね。 そうでないと、私が楽しめないわ。」
 ミカは、大きな声で笑った。


 それから、ミカは、彼女の超感覚で、逃げるこびとの位置を探査した。
隙夫は、遠くを走っていた。 こびとにしては、かなり速いスピードだった。
 しかし、巨人のミカがその気になれば、追いつくのは、簡単なことだろう。

「ふふふ、待っていてね、こびとさん。すぐに捕まえてあげるから。」
 獲物のいる方角を見つめながら、ミカは微笑んだ。

 再び、「狩り」を楽しむ時間だった。




(その19に続く)


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