《 芽生とお兄ちゃん  》 4
 
               CG画像 June Jukesさん
                みどうれい

(注意 バイオレンスシーンあります)

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 (かって芽生をイジメていた黒川の視点で)

あれ、俺はどうなったのだ。
確か(めい)とか言う巨人に踏み潰されたのに。
何故生きているのか?
そこは俺たちグループがアジトにしている廃工場の屋上だった。

オーナーの剣崎さんがそこにいる。
俺は剣崎さんを起こす。


ちなみに高校を卒業できなかった俺はネットで剣崎さんと知り合った。
そしてとんでもないブラックバイトを手伝うことになった。
おそらくは外国にいる仲間がオレオレ詐欺をする。
俺たちは剣崎さんの命令でアホな老人どもの金を受け取り、
それを換金する。古い方法だが、バカな老人はまだまだいる。
数億円の儲けになっていた。
老人から金をもらって何が悪いんだ。
こいつらは高度成長時代にしこたま金儲けをして、年金もたんまりもらっているんだ。
働きたくても就職の場がない、今、俺たち若者はどうやって生きていくんだ。。





俺は剣崎さんを起こす。

「な、なあんだ!凄い地震があったぞ」剣崎オーナーが言う。

「いや、地震じゃありません。巨人女が出現したんです」俺は言う。

「何を言っているのだ?」

だが俺たちはそこに氷つく。
とんでもない巨人女が俺たちを見つめていたのだ。






「うふふふ、おじさんたち、悪い事してお金を稼いでいるのね。
芽生が食べてあげます。
お祈りの時間くらいは待ってあげるわ」

芽生が手に持った廃工場。
彼女が大きく成ったのか、
廃工場が小さくなったのか?

いずれにしても巨人芽生から逃げる方法など何処にもない。

 彼女の眼の前で、闇バイトの男どもがパニックを起こして逃げ惑っていた。
混乱の悲鳴は彼女を中心に、じょじょに周囲に伝わっていった。
轟音と共に廃工場は砕け散った。


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